8月21日の東証REIT指数(155)は前日比2.31%高と、6月16日(4.45%高)以来の上昇率を記録。6月10日以来、約2カ月ぶりの水準に上昇した。24日も上昇して始まったが、午後は下げに転じている。
野村証券は21日付リポートで「8月第3週はオフィス系REITを中心に7社のJ-REITが2020年6月期決算と今後の業績予想を発表した中、総じてオフィス系REIT各社の業績予想が事前の警戒程には厳しいものではなかったと、多くの市場参加者から受け止められた可能性がある」とし、この日の株価上昇の一因となった可能性を指摘した。
野村証券は概ね9月末までの目安として、東証REIT指数のターゲットを1800に設定し、サブセクターの投資優先順位を物流施設、住宅、中小オフィス、総合型、大型オフィス、商業施設、ホテルとしている。(QUICK Market Eyes 大野弘貴)
<金融用語>
J-REITとは
Japanese Real Estate Investment Trustの略。日本版REITとも称される日本で組成されたREIT(不動産投資信託)のことをいう。投資家から集めた資金で購入した不動産を運用し、その賃貸収入や売買益等をもとに投資家に分配する金融商品で、もともと米国で誕生したが、その仕組みが日本のREITと米国のREITでは異なる点もあるため区別してJ-REITと呼ばれている。