ユーラシア・グループは8月25日付リポートで「安倍晋三首相が深刻な健康問題に直面しているのではないかとの憶測は沈静化したが、持病の潰瘍性大腸炎が悪化していることは明らかなことから、自らの自民党総裁任期である2021年9月を前に、早ければ今秋にも退任する可能性が高い」との見方を示した。
安倍首相が早期に退任した場合、後任には菅義偉官房長官か麻生太郎副総理が後任の自民党総裁と首相に就任する可能性が高いと予想。菅官房長官が後任に選出された場合は、既存の外交・国内政策を大きく変更することはないとしつつも、「経済改革を阻害していると見られる既得権益への切込みは、安倍首相より積極的に取り組むだろう」との見方も示されている。
(QUICK Market Eyes 大野弘貴)
<金融用語>
既得権益とは
特定の個人や団体、地域などが、歴史的経緯や慣習、法的根拠に基づいて、長く維持している権利や利益。既得権益を守るための強い「岩盤規制」は、多くの分野での新規参入や規制緩和の壁となっている。