9月1日の米国市場で破壊的な技術革新をもたらす銘柄を組み入れるアクティブ上場投資信託(ETF)のARKイノベーションETF(ARKK)に大規模な資金が流入した。QUICK FactSet Workstationによれば1億9036万ドルの流入となり、同ETFとしては2014年11月の設定以降で過去最高を記録した。
この日の米国市場でARKKは3日続伸し、1.97%高の97.21ドルで終えた。一時は97.29ドルまで上昇して設定来の高値を更新した。
同ETFは新製品やサービスの開発、DNA技術分野に関連する化学研究、エネルギーやオートメーションにおける産業革新、フィンテックなどに関連した銘柄を投資対象とするもの。純資産はまだ84億ドルほどに過ぎないが、組み入れ上位にはテスラ、インビテ、スクエアといった足元で株価が急騰している成長株が並んでおり、モメンタム株が強含む環境で人気を博しそうな銘柄構成となっている。
(QUICK Market Eyes 片平正二)
<金融用語>
フィンテックとは
フィンテック(FinTech)は、金融(ファイナンス)と技術(テクノロジー)を合わせた造語。IT(情報技術)を利用した従来にない金融サービスのことをいい、スマートフォンなどを活用した資産運用やインターネット上での資金決済サービスなどにおいて今後個人層への普及が期待されている。 ただし、日本の現行法はフィンテックが想定するサービスに対応しきれていないため、金融庁はフィンテック普及に向け新たな法整備の検討に着手し始める一方、民間においてもフィンテックに関連するベンチャー企業が集まり、フィンテック普及に向け新たな協会を設立する動きも出始めている。