アセットマネジメントOneが7月に運用を始めた「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)<愛称:未来の世界(ESG)>」が純資産総額(残高)を伸ばしている。9月16日時点で5569億円と、国内公募追加型株式投信(ETFを除く)で7位に浮上。かつて1年あまり首位の座にあった「フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)」(5498億円)の残高を上回ってきた。
「未来の世界(ESG)」は、持続的な利益成長が期待できる「ハイクオリテイ成長企業」の株式を割安時に買う「未来の世界」シリーズの8本目のファンド。世界の株式のうち企業の競争優位性や成長力に加え、ESG(環境・社会・企業統治)への取り組みから投資先を選定する。
7月20日に歴代2位の当初設定額(3830億円)で運用を始め、その後も堅調な資金流入が続いている。運用開始時の残高は17位の大きさだったが、2カ月足らずで7位まで躍進した。9月16日時点の基準価額は1万465円で、新規設定時の1万円を上回っている。
「フィデリティ・USリート・ファンドB」は、米国の不動産投資信託(REIT)で運用する毎月分配型。残高は一時1兆6000億円程度まで増え、2016年11月~17年11月まで残高トップだった。当時はこのタイプのファンドに人気が一極集中し、「新光 US-REIT オープン<愛称:ゼウス>」や「ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型)」とともにトップ3の常連だった。
毎月分配の海外REIT型投信は、高い分配金利回りを売り物に資金を引き寄せていたが、16年末から17年初にかけて分配金の引き下げが相次ぎ、資金流出に転じた。3ファンドとも資金流出に伴い残高が減少し、徐々に順位を落とした(図表参照)。
(QUICK資産運用研究所=西本ゆき、西田玲子)