ゴールドマン・サックス証券は10月6日付のリポートで、菅政権の誕生を受けて日本株のアウトパフォームの可能性を探った。リポートでは、現時点ではTOPIXがレンジ圏で推移することがベースシナリオであるものの、「ポジティブ材料がうまくかみ合い、またダウンサイドリスク要因が顕在しなかった場合には日本株のアウトパフォーマンスの可能性が高まる」としつつ、「現時点ではベータよりもアルファに注目すべきと思われる」と指摘。デジタル化の推進、企業再編、携帯料金の引き下げ、女性活用・少子化対策の4つに特に注目するとした。
デジタル化の推進では、同社アナリストがデジタル・トランスフォーメーション(DX)のシフトが本格的に進展すればNRI(4307)、日ユニシス(8056)、富士通(6702)、NEC(6701)が恩恵を享受すると指摘していることを紹介。企業再編では広い企業再編テーマ自体に注目すべきと当社では考えるとしながら、「親子上場の解消や支配株主と従属会社の関係の見直し、株式持ち合いの解消などで企業再編の動きが加速するだろう」とした一方、NTT(9432)によるNTTドコモ(9437)の完全子会社化で買収総額が4兆2500億円に達することから、株式公開買付(TOB)に応募した株主にこの金額が渡り、その一部資金が再投資される可能性が高いともみていた。
なお、携帯料金の引き下げに関しては「当然の事ながら携帯キャリアへの逆風となる可能性がある」と指摘。また女性活用・少子化対策ではウーマノミクス関連銘柄にポジティブの可能性があると指摘した。(QUICK Market Eyes 片平正二)
<金融用語>
ベータとは
個別証券(あるいはポートフォリオ)の収益が証券市場全体の動きに対してどの程度敏感に反応して変動するかを示す数値で、現代ポートフォリオ理論でよく用いられる。 β=個別証券のリターン÷市場全体のリターン で表される。 例えば、ある銘柄のβ値が1.5ということは、市場全体が10%上昇するとその銘柄は15%上昇し、逆に市場全体が10%下落するとその銘柄は15%下落することを意味する。したがってリスク指標とも捉えられ、市場全体が上昇すると判断する場合は、β値の高い銘柄に投資したり、ポートフォリオ全体のβ値を「1」として市場全体と連動させるなどの運用を行う際、銘柄選択に用いられる。 なお、ある変数y(被説明変数)のデータを他の変数x(説明変数)のデータから予測しy=α+βxの関係式に当てはめて検証する回帰分析を行う場合、最小2乗法の手法を用いて β=(xとyの共分散)÷(xの分散) と推計される。