アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)が27日に発表した2020年7~9月期決算は、一株利益(EPS)が0.41ドルで市場予想の平均(0.35ドル)を上回った。売上高は前年同期比56%増の28億100万ドル、純利益は前年同期比129%増の5億100万ドルで、市場予想はそれぞれ25億5951万ドル、4億3516万ドルだった。エンタープライズ組込機器・セミカスタム部門が全体の伸びをけん引した。主力のコンピューティング・グラフィック部門の売り上げも30%増だった。
リサー・スー社長兼最高経営責任者(CEO)は決算資料で「7~9月期はPC、ゲーム及びデータセンター向けに対する同社製品の需要が好調だったことから、記録的な売り上げを達成した。CPU(中央演算処理装置)のライゼンなどの製品ポートフォリオをさらに拡大することで、業界最高の成長を続けることが出来る」と強気の見通しを示した。
また、AMDは同日、同業のザイリンクス(XLNX)を買収すると発表した。ザイリンクス株1株に対しAMD株1.7234株を割り当てる株式交換で実施し、買収額は350億ドルに上る。
ジェフリーズは27日付リポートで、「AMDとザイリンクスの合併はコンピューティングに次ぐ基地局のネットワークと言った急成長分野において、リーディングサプライヤーになる可能性を秘めている」と指摘した。この日のAMDの株価は反落し、4%安で終えた。AMDの株価は前日までに年初来で約76%上昇していた。一方、ザイリンクスは8.55%高だった。(QUICK Market Eyes 大野 弘貴)