29日の米国市場で米半導体大手マーベル・テクノロジー・グループ(MRVL)が大幅続落し、3.33%安の38.21ドルで終えた。
この日、同業のインファイ(IPHI)を買収すると発表した。現金と株式交換で買収額は100億ドルに達するといい、マーベルはインファイの株主に、同社の1株につき現金66ドルと合併後の会社の株式2.32株を提供するという。インファイ株は26.70%高で急伸したが、マーベル株は買収企業を売り、被買収企業を買う合併・買収(M&A)アービトラージの展開で売りが優勢だった。
マーベルは買収で第5世代移動通信システム(5G)半導体でのシェア拡大を目指すという。パイパーサンドラーは29日付のリポートで「経営陣は最初の1年半で1億2500万ドルのコスト面でのシナジー効果を見込んでいるほか、今回のM&Aはデータセンターおよび5Gのエンドマーケットにおいて非常に補完的であると考える」と評価。投資判断の買い(オーバーウエイト)を維持していた。(QUICK Market Eyes 片平 正二)