来週(11月9日~)の上場REIT(不動産投資信託)市場を展望するために、QUICKが今週配信したREIT関連ニュースを振り返った。10月を振り返る記事が出ており、特に投資信託では人気の海外REIT投信の不振が指摘されている。11月はオフィスREITのリバーサル(反転)を見込む声もあった。なお、来週にREITの決算発表は予定されていない
今週の主要REIT指標の騰落率は以下となる。米大統領選という一大イベント通過による不透明感の後退から株式相場は上昇、REIT相場も堅調に推移した。
銘柄名 | 騰落率(%) |
REIT指数 | 3.44 |
REITオフィス | 4.39 |
REIT住宅 | 1.75 |
REIT商業 | 2.97 |
東証REIT物流フォーカス指数 | 2.35 |
■J-REIT、10月のファクター効果、モメンタムが有効(11/5)
大和証券は4日付リポートで10月のJ-REIT(日本の上場不動産投資信託)のファクター効果(投資指標の有効性)について、6・12カ月リターンといったモメンタム指標が有効であった一方、バリュー・グロースの傾向はあまり見られなかったと分析した。また、景気感応度の低い銘柄は9月に引き続きアウトパフォームしたとのこと。
11月の見通しについて、世界的な新型コロナウイルスの感染再拡大を受けてグロース優位の展開になると予想。物流、ホテルの堅調推移が期待できるほか、オフィスも「一旦、リバーサルに動きやすい」との見方が示されている。
東証REIT指数の想定レンジについては1650~1800で据え置かれた。(QUICK Market Eyes 大野弘貴)
■投信運用、「コロナ第2波」で苦戦 残高上位は軒並み悪化(11/6、一部抜粋)
投資信託の運用状況が悪化している。規模が大きいファンドの大部分は10月のリターンがマイナスだった。欧州発の新型コロナウイルス感染「第2波」に対する警戒感に加え、世界の金融市場で米大統領選を控えた調整も入り、10月の運用成績は全般に不調だった。
国内公募の追加型株式投資信託(ETFを除く)のうち、10月末時点の純資産総額(残高)上位20本の1カ月リターン(分配金再投資ベース)を調べてみたところ、プラスは4本のみだった(図表参照)。
運用成績が特に低調だったのは、海外の不動産投資信託(REIT)に投資するファンド。20本中運用成績が最も低かったのは「新光 US-REIT オープン<愛称:ゼウス>」のマイナス3.38%だった。2位は「フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)」、3位は「ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコース(為替ヘッジなし)」と続き、下位3位までを海外REIT型(QUICK独自の分類)が占めた。コロナ禍を経て生活様式が一変し、世界的に不動産を取り巻く環境が不透明になっていることが大きく影響していそうだ。(QUICK資産運用研究所 西本ゆき、西田玲子)
■REIT決算&開示情報
11/5 <決算>ユナイテッドU(8960) 増額修正 分配金(3,030円←2,300円 2020/11)