来週(12月7~11日)の外国為替市場で、円相場は横ばい圏の1ドル=103~104円台での推移が見込まれる。新型コロナウイルスのワクチン普及や米追加経済対策の早期成立への期待から、主要通貨に対してドルが売られている。もっとも、投資家がリスク選好を強める局面ではドルと共に「低リスク通貨」とされる円も売られやすい。足元での新型コロナ感染拡大への警戒感もくすぶり、対ドルの円相場には明確な方向感が出そうにない。
欧州中央銀行(ECB)は10日に理事会の結果を発表し、ラガルド総裁が記者会見する。10月に開いた理事会の議事要旨などを踏まえて市場は追加の金融緩和を織り込んでいるようだ。市場予想に沿った結果なら「金融政策の出尽くし感からドル安・ユーロ高が一段と進む可能性がある」(国内シンクタンクの為替担当者)との声が聞かれた。このところのユーロ高に対してECB高官からけん制の発言が出るかも注目が集まる。
同期間の東京株式市場で日経平均株価は底堅く推移しそうだ。11月に急ピッチで上昇したため過熱感が強い。新型コロナのワクチンに関する不安材料が出れば、利益確定の売りが広がる可能性がある。ただ、ワクチンの普及に伴い経済活動が正常化に向かうとの期待は続いている。出遅れていた鉄鋼など景気敏感株への循環物色は相場を下支えするだろう。
9日には国内で、10月の機械受注や11月の工作機械受注といった統計が発表される。海外向けを中心に回復が見込まれており「外需に関連する自動車株などには物色が広がりやすい」(国内証券の投資情報担当者)。これらの発表を支えに、日経平均は2万7000円手前まで上値余地があるとの声も聞かれた。
【主な予定】
◇7日(月)
・11月上中旬の貿易統計(財務省、8:50)
・12月のQUICK月次調査<株式>(11:00)
・10月の景気動向指数速報値(内閣府、14:00)
・2~10月期決算=積ハウス
・11月の中国貿易統計
・タイが休場
・10月の米消費者信用残高(8日5:00)
◇8日(火)
・閣議
・10月の家計調査(総務省、8:30)
・10月の毎月勤労統計速報値(厚労省、8:30)
・10月の国際収支(財務省、8:50)
・対外・対内証券売買契約(月間、財務省、8:50)
・7~9月期の国内総生産(GDP)改定値(内閣府、8:50)
・11月の貸出・預金動向(日銀、8:50)
・5年物利付国債の入札(財務省、10:30)
・11月の景気ウオッチャー調査(内閣府、14:00)
・フィリピンが休場
・7~9月期のユーロ圏域内総生産(GDP)確報値(19:00)
・12月の欧州経済研究センター(ZEW)の独景気予測指数(19:00)
・7~9月期の米労働生産性指数(改定値、22:30)
◇9日(水)
・10月の機械受注統計(内閣府、8:50)
・11月のマネーストック(日銀、8:50)
・6カ月物国庫短期証券の入札(財務省、10:20)
・10月の特定サービス産業動態統計速報(経産省、13:30)
・11月の工作機械受注額(速報値、日本工作機械工業会)
・11月の中国消費者物価指数(CPI、10:30)
・11月の中国卸売物価指数(PPI、10:30)
・インドネシア統一地方選の投開票
・インドネシアが休場
・10月の米卸売在庫(10日0:00)
・ブラジル中銀が政策金利を発表
◇10日(木)
・10~12月期の法人企業景気予測調査(財務省・内閣府、8:50)
・対外・対内証券売買契約(週間、財務省、8:50)
・11月の企業物価指数(日銀、8:50)
・20年物利付国債の入札(財務省、10:30)
・11月のオフィス空室率(三鬼商事、11:00)
・タイが休場
・欧州中央銀行(ECB)理事会の結果発表(21:45)
・ラガルドECB総裁が記者会見(22:30)
・11月の米消費者物価指数(CPI、22:30)
・11月の米財政収支(11日4:00)
・海外8~10月期決算=ブロードコム
・海外9~11月期決算=アドビ
◇11日(金)
・閣議
・3カ月物国庫短期証券の入札(財務省、10:20)
・11月の投信概況(15:00)
・株価指数先物・オプション12月物の特別清算指数(SQ)算出
・タイが休場
・11月の米卸売物価指数(PPI、22:30)
・12月の米消費者態度指数(速報値、ミシガン大学調べ)(12日0:00)
(注)時間は日本時間
〔日経QUICKニュース(NQN)〕