【日経QUICKニュース(NQN) 矢内純一】日経平均株価はいつ3万円を回復するか――。QUICKが7日発表した12月の株式月次調査によると、「2022年3月末までに回復する」との予想が52%に上った。一方、さらにその先になるとの回答が40%を占め、「永遠に回復しない」が6%だった。米ダウ工業株30種平均が3万ドルに乗せて最高値を更新しているが、日経平均の大台回復にはまだ時間がかかりそうだ。
今回の調査は1~3日に実施し、証券会社や投信投資顧問など127人から回答を得た。日経平均は3日に2万6809円と、29年7カ月ぶりの高値を付けた。
「日経平均はいつごろまでに3万円を回復すると思うか」と質問したところ、「2022年3月末」が29%で最多となった。「東京五輪のころ」(17%)、「2021年3月末」(6%)を合わせると、半数以上が来年度末までに3万円に達すると予想している。一方、「23年3月末」と「3年以上かかる」はそれぞれ20%だった。
この先、日経平均が上昇していくための条件(2つまで回答可)を聞いたところ、「デジタル化などイノベーションを通じた生産性向上」が39%で最も多かった。「新型コロナウイルスの克服」が37%、「金融緩和の継続」が30%と続いた。
野村証券の伊藤高志エクイティ・マーケット・ストラテジストは「コロナ禍でコスト構造を見直し収益性を高めたり、M&A(合併・買収)などで成長しようとしたりする企業も多い」と話し、22年3月までの3万円回復を見込んでいる。
みずほ証券の永田尋嗣マーケットストラテジストは22年3月までの3万円超えは難しいとみる。永田氏は「コロナからの回復で来年度は日本企業全体として増益が見込まれるが、再来年度は増益率の鈍化が意識されるだろう」と話していた。