【QUICK Market Eyes 川口 究】9日の米国株式市場でビデオ会議システムのズーム・ビデオ・コミュケーションズ(ZM)が大幅反落した。日中取引の終値は前日比6.46%安の385.36ドルだった。米系証券が投資判断を引き下げたことが材料視された。
JPモルガンは9日付リポートでズームの投資判断を「買い(オーバーウエート)」から「中立(ニュートラル)」に引き下げたようだ。同証券では一部の顧客を失う恐れがあるとみているもよう。担当アナリストは新型コロナウイルスのワクチンが普及するにつれ、「今後の対面でのやり取りが増えるため、ユーザーグループの10人未満となる従業員セグメントでの解約率にリスクをもたらすと考ええている」と指摘した。
ズームのビデオ会議システムは新型コロナウイルスの感染拡大で様々な業種や場面での使用が増え、それに合わせ株価も上昇し、その上昇率が500%を超えるなど、同証券のカバレッジユニバース全体で最高のパフォーマンスを示した。担当アナリストはそのことについて、「この時点で、収益は上振れの可能性を複数反映していると考えている」との見方も示したようだ。