国内公募の追加型株式投資信託(上場投資信託=ETF、ラップ・SMA専用を除く)を対象に12月の資金動向を18日時点でまとめたところ、主に海外の株式に投資するタイプのファンドが資金流入の上位に目立った。上位10本中8本が海外株式型だった。
■未来の世界(ESG)、資金流入トップを維持
設定から解約を差し引いた資金流入超過額が最も大きかったのは、アセットマネジメントOneの「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)<愛称:未来の世界(ESG)>」で約500億円。7月の運用開始から資金流入が続き、12月の月間でもトップを維持すれば6カ月連続となる。18日時点の純資産総額(残高)は8445億円と、国内公募追加型株式投信(ETFを除く)で2番目の大きさ。残高首位の「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」(9631億円)との差が約1000億円まで縮まった。
2位は日興アセットマネジメントの「デジタル・トランスフォーメーション株式ファンド<愛称:ゼロ・コンタクト>」だった。7月の設定当初はSMBC日興証券が1社のみで販売していたが、最近は大手銀行や地方銀行なども加わり資金流入が続いている。
3位と5位にはアライアンス・バーンスタインが運用する「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」と同ファンドの「Cコース(為替ヘッジあり)」がランクインした。
■「グロ3」から資金流出、運用回復も
一方、流出超過額が最も多かったのは、日興アセットマネジメントが運用する「グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)」で297億円。2位は決算頻度が異なる「隔月分配型」(T0231218A/TSK)で、合わせて431億円の資金流出超だった。コロナショックで大幅に値下がりした後から資金が流出している。基準価額は3月19日に付けた最安値(8559円)から12月18日時点までの上昇率が5割を超え、年初来ではプラスのリターンに戻している。
4位はレオス・キャピタルワークスの「ひふみプラス」で、87億円の資金流出。6月以降は月次ベースで毎月200億円を超える流出が続いていたが、12月は途中段階で流出ペースの縮小傾向がうかがえる。
(QUICK資産運用研究所=竹川睦)