【QUICK Market Eyes 川口 究】野村証券は12日付リポートで2021年12月末の日経平均株価予想を従来(20年11月10日時点)の2万8000円から3万円に引き上げた。日経平均が8日に2万8000円に到達したことから、トップダウンの業績予想は据え置く一方、バリュエーションを引き上げた。バリュエーションは21年12月末時点のPER(TOPIX翌期ベース)を14.8倍から16.1倍に上方修正した。日本株は、22年度に過去最高益を更新する確度が高まっており、金融危機後ではないという点も合わせ、現在の局面は05年度にかけての1年間に似ているという。04年12月のPERは同16.1倍だった。
コロナ禍からの世界景気の回復が力強く、日本の企業業績も22年度まで大幅増益が見込まれ、また景気回復初期に相当する21年は、米連邦準備理事会(FRB)の緩和姿勢も維持され、外国人投資家の日本株買いなど需給も堅調が予想されるという。大統領と上下院すべてを制する「ブルーウェーブ」を実現したことで財政政策の積極化や今後の不測の景気悪化に対しては機動的な追加措置を見込めるようになった点も高いバリュエーションを支えるとした。