【QUICK Money World 吉田 晃宗】来週(2月1日~)の上場REIT(不動産投資信託)市場を展望するために、QUICKが今週配信したREIT関連ニュースを振り返った。大手証券が東証REIT指数の見通しを引き上げた。来週、REITの決算発表は予定されていない。
今週の主要REIT指標の騰落率は以下となる。REIT相場は引き続き堅調。とりわけオフィスの上昇が目立った。
銘柄名 | 騰落率(%) |
東証REIT指数 | +2.33 |
東証REITオフィス | +3.57 |
東証REIT住宅 | +1.86 |
東証REIT商業 | +1.23 |
東証REIT物流フォーカス | +0.69 |
■東証REIT指数の想定レンジを引き上げ=野村証(1/25)
野村証券は22日のJ-REIT(日本の上場不動産投資信託)リポートで東証REIT指数の想定レンジ(今後2カ月)を従来の1600~1850から1630~1880に引き上げた。
不動産賃貸市況の多くの分野で新型コロナウイルスの影響を受けているものの、J-REITセクターの20年度の配当水準は前年度比4.6%減にとどまる見通しであること。また、相場低迷時でもJ-REIT各社が一層規律が効いた物件売買や財務運営に努め、情報開示も充実させているほか、市場全体の加重平均配当利回り4.1%、NAV倍率(PBRに相当)も0.99倍と「バリュエーションも過去対比で割安」であると指摘している。「金融市場がコロナ後を見据えたリスクオンの展開に傾くと考えられる中、J-REIT相場は株式相場に対するこれまでの大幅な出遅れを徐々に取り戻す形で上昇する」との予想も示された。
サブセクターの投資優先順位は物流、住宅、中小規模オフィス、商業施設、複合・総合型、大型オフィス、ホテルの順としている。
物流施設については、「賃貸市況は依然好調」であるとし、住宅は「稼働率低下と賃料増額率縮小は構造的な市況変調とは考えにくく、今後引っ越しを過度に自重する風潮が変われば好転する」との見方が示された。
一方、ホテルについては「自然体で十分配当を還元できる水準までの利益回復にはまだ時間を要しそう」であると指摘している。(QUICK Market Eyes 大野弘貴)
■ホテルREIT、自然体で期間損益をプラス確保できるRevPARの回復が焦点=野村(1/26)
INV(8963)などホテル系REIT3社は25日、2020年12月の月次運営実績を開示した。野村証券は25日付リポートで、「GoTo」トラベルキャンペーン一時停止からの再度の緊急事態宣言で、1月のRevPAR(1室あたりの売上高)は前年同月比70%台下落する見込みと、再びの状況悪化が見込まれている中、「金融市場がコロナ後を見据えて動く中ではテーマ的に注目され易く、株価も上がりがちなホテル系REITであるが、経営指標の十分な改善をまだ明確には見通せない難しい状況が続いている。引き続き、各社が物件売却益などを計上しない自然体でもプラスの期間損益を確保できるレベルまでRevPARを回復できるかが焦点になる」と指摘した。
INVは最大のテナントであるマイステイズ・ホテル・マネジメントに対して、20年3月以降固定賃料を大幅にカットし続けている。そしてRevPARが高水準にあった19年対比で6割程度の水準まで今後回復してその状態が概ね6カ月以上継続すれば、マイステイズ・ホテル・マネジメントとの間で固定賃料支払い再開を協議することになり得るとしている。「固定賃料の支払いが再開されれば、INVは自然体でもプラスの期間損益を確保できると推定される」と指摘した。
いちごホテ(3463)は「21.1期(20年8~12月)の会社予想DPS(一株当たりの配当金)は前年同期比91%減少の795円で、変動賃料制ホテルのRevPARの前提は前年同期比60%下落と、12月までは概ね計画並みで推移していることになる」とした。
JHR(8985)はホテルマネージメントジャパンに対して、20年2月から21年12月までの間は固定賃料を全額免除し、業績連動賃料のみを受け取る契約に変更している。JHRは「RevPAR19年対比で5割程度の水準まで回復してその状態が続けば、自然体でもプラスの期間損益を確保できると推定される」という。(QUICK Market Eyes 川口究)
■REIT決算&開示情報
1/29 <決算>東急RE(8957) 増額修正 分配金(3,740円←3,520円 2021/01)