あいグローバル・アセット・マネジメントが「あい・パワーファンド(愛称:iパワー)」の新規の設定と解約の申し込み受付を停止する。証券取引等監視委員会が同社への行政処分を出すよう、内閣総理大臣および金融庁長官に対し1月29日付で勧告したため。設定解約の申し込み受付停止は1月30日からで 同社は「当ファンドの運用財産についてのより詳細な状況を確認できるまでの間」としている。
「iパワー」は2019年4月23日に設定された国内公募の投資信託で、今年1月29日時点の純資産総額は67億円。楽天証券、あかつき証券、あい証券、アーク証券、FPL証券、山和証券の6社で販売している。1月29日時点の設定来リターンは5%超。販売手数料が5.5%(税込み・上限)、実質信託報酬が年4.166%(同)と、いずれも国内公募投信の中で最も高い。
このファンドの実質的な投資対象は先進国通貨の外国為替証拠金取引。同ファンド専任の運用会社STIJPが手掛けるケイマン籍のファンドを通じた「ファンド・オブ・ファンズ」の形態で運用しているが、あいグローバルがSTIJPの運用体制や実態を把握していないことなどを証取監視委が問題視した。 私募投信の「あい・パワーファンド(適格期間投資家向け)」も設定解約を当面停止する。再開については「運用財産についてのより詳細な状況などが確認でき次第、別途お知らせする予定」(あいグローバル)としている。
◇証券取引等監視委員会のリリース ・あいグローバル・アセット・マネジメント株式会社に対する検査結果に基づく勧告について ◇あいグローバル・アセット・マネジメントのリリース ・公募投資信託「あい・パワーファンド」の設定解約の停止について ・私募投資信託「あい・パワーファンド(適格機関投資家向け)」の設定解約の停止について
STIJPは同ファンド専任の運用会社なのに、実態を把握していないとは杜撰すぎる。