(初回公開日2022年1月3日10:00)
【QUICK Money World 辰巳 華世】旅行関連銘柄への注目が高まっています。新型コロナウイルス感染拡大による観光客の激減で打撃を受けた旅行業界ですが、2023年5月より新型コロナの感染症法上の分類を「5類」に引き下げることが決まり、旅行需要の本格回復が期待されます。今回は旅行関連銘柄への投資に興味がある人向けに、旅行関連の銘柄が注目される理由、2023年における旅行関連の銘柄の動向について、旅行の関連銘柄とは、旅行関連の注目銘柄について紹介します。
旅行関連の銘柄が注目される理由
旅行業界は景気に一定の影響を与えています。観光庁が公表している新型コロナウイルス感染症拡大前の2019年の旅行消費額は29.2兆円でした。日本経済の貢献度として、旅行関連事業の生産波及効果は55.8兆円、波及効果を含めた雇用誘発効果は456万人に上ります。
出所:官公庁
新型コロナの影響で大きく落ち込んだ旅行関連事業ですが、23年5月に新型コロナの感染症法上の分類を「5類」に引き下げることが決まり今後の本格回復が期待されています。
2019年の29.2兆円の旅行消費額のうち、22.3兆円の76.4%が日本人国内旅行によるものでした。日本人による国内旅行の回復だけでも大きな景気刺激となりますが、今後は、コロナ前よりも円安が進行していることもあり外国人観光客の増加も期待できます。
旅行関連事業は、コロナ禍で大きな被害を受けた業界の一つですが、ウィズコロナ/アフターコロナ時代で再び旅行需要の拡大が期待されています。鉄道や航空会社、ホテル産業、旅行予約の関連事業、ご当地関連商品など多くの分野で期待が高まっています。
2023年の旅行関連の銘柄の動向について
旅行業界は20年に始まった新型コロナの影響で大きな打撃を受けました。世界的な感染拡大で各国の出入国が規制されたこともあり海外旅行には行きにくくなりました。訪日外国人も大幅に減少しました。一方、国内旅行も「緊急事態宣言」など政府の人流抑制策の有無に大きく左右されるなど苦しい期間が長く続きました。足元では、行動制限のない状態が続いており、これまで我慢してきた旅行を再開する人が増えています。
また、政府が新型コロナの感染症法上の分類を「5類」に引き下げることを決めたことで、旅行業界の本格回復が期待されています。観光関連の消費回復では、国内旅行はコロナ前の19年に近い水準まで戻るとの見通しがあります。コロナ前に比べて円安が進行していることもあり、訪日外国人によるインバウンド消費も期待できそうです。
ただ、旅行業界では、コロナ下で人員削減が進んだことで人手不足が問題となっています。ホテルや旅館などでは、満室の需要があるにも関わらず、従業員が不足していることで対応できず予約を断る事態も発生しています。また、移動で必要なレンタカーや貸し切りバスなどの台数も減少しており、旅行業界全体で旺盛な需要に対応できる体制回復が急がれます。
一方、海外旅行では、しばらく様子見ムードや円安の影響で回復途上になる可能性があります。
旅行の関連銘柄とは
旅行関連銘柄は多岐に渡ります。観光で利用される交通機関や関連する企業は関連銘柄です。空の便では、日本航空(9201)やANAホールディングス(9202)、鉄道では東武鉄道(9001)や東日本旅客鉄道(9020)などがあります。
旅行や観光に関連する企業では、近畿日本ツーリストなどを傘下に持つKNT-CTホールディングス(9726)、エイチ・アイ・エス(9603)、ユーラシア旅行(9376)、旅工房(6548)、ベルトラ(7048)どがあります。
宿泊予約サイトを運営する企業も関連銘柄です。旅行比較サイト「トラベルコ」を運営するオープンドア(3926)や航空券予約サイト運営のエアトリ(6191)やアドベンチャー(6030)があります。
旅行関連の注目銘柄
Go To トラベルを再開期待もあり、上で述べた通り、旅行関連の銘柄に注目が集まります。旅行会社のエイチ・アイ・エス(9603)、近畿日本ツーリストなどを傘下に持つKNT-CTホールディングス(9726)、ユーラシア旅行(9376)、旅工房(6548)、ベルトラ(7048)、航空関連では、日本航空(9201)、ANAホールディングス(9202)、鉄道では東日本旅客鉄道(9020)、東武鉄道(9001)です。「トラベルコ」を運営するオープンドア(3926)や航空券予約サイト運営のエアトリ(6191)やアドベンチャー(6030)も注目銘柄です。
一方、QUICK Money Worldでは、GoToキャンペーンの関連銘柄や、アウトドアの関連銘柄の一覧も紹介しているので、こちらもご覧ください。
<テーマ株> |
まとめ
旅行の関連銘柄は旅行代理店に限らず、鉄道・航空業界、宿泊予約サイトを運営する企業など、影響を受ける業界が幅広いです。旅行需要の回復も期待されるので、今後の動向に注目です。
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