※新型コロナウイルス新規感染者数の第6波の動的予測については、3月4日をもって更新を停止いたします。
【QUICK Money World】シンクタンク山猫総合研究所代表の三浦瑠麗氏ら「CATs(Collective Analysis Teams=リアルタイム社会診断システム)」と呼ばれる構想を共有する有志メンバーが開発した予測モデルによると、東京都の新型コロナウイルス新規感染者数(7日間移動平均)の予測値は2月8日以降、減少傾向を示し、足元では「急減期」のフェーズに入っているという。
東京都は3月4日、「みなし陽性者」(検査を実施せずに医師の判断により臨床診断された患者)を含む新型コロナの新規感染者数が1万517人だったと発表した。7日間平均の新規感染者数は、2月8日にピーク(最高値はみなし陽性者除き1万8114人、みなし陽性者含み1万8575人)をつけた後、減少傾向にある。
CATsは1月25日から2月6日まで、コロナ感染者数の第6波のピークを2月上旬(1~9日)と予測しており、現状の感染者数のトレンドは予測が示してきた方向感に沿った動きとなっている。下記のグラフでは将来日付の移動平均が予測値となっている。
CATsの予測は連続性の観点から、みなし陽性者を含むものと、除いたものの両方を計算している。CATsの分析によると、現状の感染推移のフェーズは「急減期」で、今後も減少傾向は3月半ばにかけて継続するという。
※太いオレンジ色、紫色の線がCATsの予測。2月3日予測分から、参考値として「みなし陽性者」を含む予測値(紫色)も掲載
CATsが作成した、直近の感染がピークアウトしたとみられる各国の新規感染者数の比較グラフ(動画)は、1日の新規感染者数が1万人以上となった国のみを抽出し、正規化した最大値を起点に前後45日間を見たもので、他国などの先行事例からは感染の増減周期に関して一定の傾向が窺える。
感染者予測は大学や研究所、シンクタンクなどが算出しているが、新型コロナを取り巻く環境は日々変化しているため、未来を正確に言い当てることは難しい。
CATsによる予測は、日々更新される複数データをインプットすることで、日々予測も修正される「動的予測」になっていることが従来と比べた最大の特徴。人流や人々の行動変容などを時々刻々に反映した最新の予測が可能となる。当日の感染者数、人流、SNS、検索量など、最新のデータを使い、台風の進路予想を毎日計算するように、新型コロナの感染動向も毎日予測する。
今回の予測の意義について三浦氏は以下のように述べた。
「新型コロナウイルス感染症の特徴は、感染の『波』が数次にわたって押し寄せる点、さまざまな要素が複雑に絡み合い、感染が拡大・縮小するところにあります。人々のちいさな行動変容や、都市構造や社会における人々のつながりの複雑さ、ウイルスの季節的なふるまいなどが影響を与えているため、豊富な種類のビッグデータによる予測が適しています。
CATs-QUICKによる予測を、従来予測と比べた時の最大の特徴は、日々更新される豊富なリアルタイムデータを反映する動的予測である点です。日々変わる人流や飲食店の予約状況、オンラインの検索やSNS等が映す市民の心理などを変数に加え、少数の限られた要素に過大なウェイトをおくことなく、動的予測を算出して提供します。手法としては、ビッグデータ分析と機械学習の両方を組み合わせることで、より実態に即した予測が可能となりました。
東京都の感染はすでにピークを越えて減少傾向にあります。検査も十分に行われており、以前よりも感染者を捕捉できていると考えられます。そのなかで、重症者数もピークを越えて減少傾向が見られます。重症化を防ぐのはワクチンであり、行動制限ではありません。これ以上まん延防止重点措置などを延長してもさらに重症者を減らす効果はないと考えられます。第6波の更新は本日でいったん終えますが、今後はこれから明らかになる経済指標等の分析を行っていきます」
「接触機会を増やすことを避けながら日常の経済社会活動を継続することが重要です」 結局どうしたらいいのだろうか。 意義とニーズがマッチしてない印象でこの三浦先生の動的予測をどう我々は活用したらいいのかわからない。 医療システムの行動指針を測る動的予測というものを観たことあるが、明確で具体性があった。この予測をもとにがん治療の指針を決定するものという意義とニーズもあった。また、同じコロナ関連でも医療体制の行動指針を決定するための動的予測というものも見たことあるが、データの定義がしっかりしていたので、うなずけるものがあった。一方、三浦先生のCATSという予測はなんとなくぼんやりしていてわからないなあ。結局は冒頭のコメントどおり、用心しながら行動しましょう。ということですよね。であれば、このCATsという予測でなくても、誰でも言えそうだが・・・・。ご専門の方のご意見を聞きたい。