QUICK企業価値研究所アナリスト 小西慶祐(2022/03/31)
・認証不正関連費用約400億円を特別損失に計上へ
会社側は3月29日に、22/3期通期の純損益計画を150億円の黒字→540億円の赤字(前期は75億円の赤字)へ大幅下方修正。2期連続で純損失となる見込み。なお今期から収益認識に関する会計基準を適用したが、利益への影響はない見通し。同社は3月4日に、エンジン認証に関する不正行為が発覚。それに伴うリコール費用と税制優遇追加納付費用の合計約400億円を特別損失に計上する。加えて、21年9月にリコールを届け出た不具合について、市場措置を促進するため修理内容を変更。これによる追加発生費用(営業費用)約180億円を計上するほか、北米市場向けエンジンの認証課題に起因する補償損失も、約120億円膨らむとしている。
・不透明感強く、来期以降の業績予想は一旦取り下げ
企業価値研究所では、22/3期通期の連結業績予想を会社修正計画まで引き下げ、23/3期以降の業績予想も一旦取り下げる。海外販売に関しては、上記のエンジン認証不正発覚による影響は出ない模様だが、該当するエンジンを搭載する国内向け車両の型式指定が取り消され、再認証を取れる時期が不透明なこと、顧客への補償などによる追加的な費用計上リスクもあると判断、4月27日予定の本決算発表後に改めて予想することとしたい。
・リスクファクター ~エンジン再認証、補償費用など
・アナリストの投資判断 ~認証不正発覚で上値の重い展開を予想
株価は、3月4日のエンジン認証の不正発覚後に大きく下落、20年の新型コロナウイルス感染拡大以来の低水準で推移している。今後も、国内販売の不透明感が強く、上値の重い展開が続くとみている。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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