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東海旅客鉄道(9022) 経済活動の正常化で輸送需要が回復するとみて、今・来期と損益の改善を予想

QUICK企業価値研究所アナリスト 唐木健至(2022/05/12)

・従来予想比では新型コロナが長引き今期予想を減額
 前期決算発表を受け企業価値研究所では、今23/3期の連結業績予想を下方修正。営業利益を4800億円→3630億円(前期は17億円の利益)とした。新型コロナウイルスの感染拡大が長引いていることを勘案し、新幹線の利用想定を引き下げたことに加え、今期の会社計画を踏まえ、鉄道関連の費用の想定を引き上げたこともあり利益予想を減額した。一方、前期との比較では、ワクチン普及などで新型コロナウイルスの影響が和らぎ、輸送需要が徐々に回復するとみて、営業増益の予想としている。
 来24/3期の連結業績は、営業利益4740億円(前期比31%増)を見込む。経済活動の正常化に伴いビジネス、観光ともに輸送需要の回復が続くと想定。新幹線の大規模改修引当金の取り崩しが23/3期で終了することに伴う費用増加はあるものの、営業増益の予想としている。

・22/3期は新幹線の利用が回復も水準は低い
 22/3期の新幹線収入は21/3期比41%増加したが、19/3期比54%減少。利用が21/3期と比べ回復したものの、外出抑制が続き低水準での推移を余儀なくされた。

・リスクファクター ~東海地震など

・アナリストの投資判断 ~中長期的観点から水準を切り上げる展開を予想
 直近株価での当研究所23/3期末BPS予想に基づく予想PBRは0.85倍と、過去3年の実績PBRの平均(0.92倍)をやや下回る。ただ、当研究所では新型コロナウイルスの影響解消後も、オンライン会議の普及に伴う企業の出張抑制で新幹線の輸送需要が伸び悩むとみることなどから、株価も過去3年を下回る評価が妥当と考えている。足元の株価は概ね妥当な水準にあるとみており、今後は中長期的観点から、損益の改善をにらみながら徐々に水準を切り上げる展開を予想する。

 

(提供:QUICK企業価値研究所)
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著者名

唐木 健至

シニアアナリスト

運輸セクター担当

 

【プロフィール】

早稲田大学政治経済学部卒。野村総合研究所入社。その後、国内のコンサルティングファームをへて、2006年、QBR(現QUICK企業価値研究所)入社。企業アナリストとして、運輸セクターを担当、現在に至る。

 

日本証券アナリスト協会検定会員

日本証券アナリスト協会 ディスクロージャー研究会 運輸専門部会 評価実施アナリスト


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