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三菱電機(6503) 部材価格高騰や部材供給遅延を吸収し、今期は増益を予想

QUICK企業価値研究所アナリスト 豊田博幸(2022/05/16)

・22/3期4Q3カ月の営業利益は2四半期連続の減少
 22/3期4Q3カ月の営業利益は前年同期比33.1%減の619億円。部材供給遅延や、素材価格の上昇の影響などが響いた。企業価値研究所による23/3期通期の連結業績予想は、売上高を4兆8000億円(前期比7%増)、営業利益を2850億円(同13%増)とする。部材供給遅延や、素材価格の上昇の影響などが懸念されるが、円安に加え、FA事業や電子デバイスの好調などで、増収増益を予想する。23/3期以降の為替前提は1ドル=125円、1ユーロ=135円。為替レート1円の変動による営業利益への影響額(年間)はドルが18億円、ユーロが12億円を想定する。

・中期経営計画推進は変わらず
 26/3期に連結売上高5兆円(22/3期4兆4768億円)、売上高営業利益率10%(同5.6%)などを目指す中期経営計画を策定(21年5月)。利益成長を通じ、株主還元も強化していく考えだ。なお、21年6月に不正検査問題が発覚。以降も不正検査問題が散発しているが、現時点で中期経営計画を推進する考えは変わらない。

・リスクファクター ~コンシューマ向けビジネス

・アナリストの投資判断 ~当面の株価は軟調も、中期成長シナリオは変わらず
 当研究所による今23/3期の連結営業利益予想は2850億円(前期比13%増)。来期以降も増収増益が続くとみている。産業エレクトロニクス大手5社の中で自己資本比率が最も高く、借入金比率も良好な水準を維持。今後の自動車の電装化や電気自動車化に十分に対応できる。中期成長シナリオも変わらないが、当面の株価は株式相場の軟調に加え、不正検査問題や素材価格高騰に対する懸念などから軟調な展開もあろう。

 

(提供:QUICK企業価値研究所)
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著者名

豊田 博幸

調査部長

電機・精密担当


【プロフィール】
1985年、東京証券(現東海東京証券)入社。企業アナリストとして主に自動車、機械など製造業中心に担当したほか、投資情報業務にも従事。営業企画部や経営企画部など経営企画部門も経験。2000年、QBR(現QUICK企業価値研究所)に勤務。2011年より調査部長、現在に至る。「森羅万象、無駄になる情報は無し」を信条に、調査活動に従事する。


日本証券アナリスト協会 ディスクロージャー研究会 電気・精密機器専門部会 評価実施アナリスト


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