【QUICK Money World 片岡 奈美】株式投資に関わる方なら、「ファンダメンタルズ分析」という言葉を耳にされたことがあるでしょう。財務状況、売上高や利益といった業績状況のデータをもとに、企業(株式)の本質的な価値を分析していく手法です。この分析ができれば、企業価値が高くても株価が割高なら今は投資をすべきではないと判断できるでしょうし、企業価値に見合うだけの株価になっていない銘柄を探すような堅実な投資もしやすくなるでしょう。
では、企業の価値とはそもそも何なのでしょう。成長性なのか、収益性なのか、安全性なのでしょうか。はたまた、企業規模の大きさにあるのでしょうか。どの側面も重要ですよね。このファンダメンタルズ分析というものは、それらの要素をさまざまな指標を用いながら分析していくものです。用いられるのは企業の状況を知る上では重視される指標ばかりですから、特に中長期の運用を考える人にはお勧めしたい手法でもあります。
具体的にはどのような指標があるのでしょうか。例えば、企業の規模をはかるには売上高や時価総額、総資産などでしょうか。一般的に小型株は大型株よりもリスクが高いと見られていますので重要ですね。ROE(自己資本利益率)やROA(総資産利益率)などを確認すれば、株主から預かった資金を活用し、利益を上げているかを推し量ることができます。PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)、予想配当利回りなどは株価の割安感をはかる指標として有名ですよね。ほかにも、成長性や安全性も確認したい――。となると、なかなかすべてを揃えたうえで比較検討するのは、ひと苦労。そんな方にぜひともお勧めしたいのが「QUICKスコア」を使ったスクリーニングです。
QUICK Money Worldで提供するQUICKスコアでは、ファンダメンタルズ分析でよく用いられる15指標を「規模」「安全性」「収益性」「割安度」「成長」の5つの項目にまとめて、五角形のレーダーチャートで表示します。この5項目を組み合わせることで、個別銘柄の特徴を一目で確認することができます。それぞれの項目で示す意味合いやスコアの算定に用いる指標データは以下の通りです。
それぞれのスコアは、決算短信や株価の値動きなどからわかる企業属性を10段階で平均化したものです。例えば「割安度」は低いほど割高感が強まることを意味します。
なお「安全性」については、リース会社や銀行など金融事業を営む企業は、事業の特性上、自己資本比率が小さく、安全性スコアも低くなりがちです。業種による特性も考慮しつつスコアを見ていくとよいでしょう。
投資したい銘柄を探してみよう
これらの5つのスコアを用いて、さっそくレーダーチャートで銘柄を探してみましょう。まず「スコア株サーチ」画面を開きます。トップページから進む場合は、画面右下の方にリンクがあります。
QUICKスコアから銘柄を探す方法は、➀スコアチャート(レーダーチャート)を自分好みの形にする方法や、②気になる銘柄や保有銘柄などに似た特徴をもつ銘柄を探す――などの方法があります。
①スコアチャートを自分好みに変えてみよう
QUICKスコア株サーチ画面の左側に、『QUICKスコア』と書かれた五角形があります。企業規模や安全性など、スコアを動かして五角形を好きな形に変えてみましょう。
例えば、財務が健全であれば株式投資額が割高でもよいならば、「安全性」のスコアを10に、「割安度」を1にしてみましょう。五角形の形を変えていくと、類似の形をもつ銘柄が画面右側に表示されます。今まで見過ごしていたような銘柄の発見につながるかもしれません。
②気になる銘柄から探してみよう
ご自身で五角形のチャートを作る以外にも、企業コードや企業名を入力することで、すでに保有している銘柄や気になる企業と似た形を描く銘柄を探すこともできます。
「財務が健全」「お買い得感」「稼ぐ力」「巨艦に乗る」――など、各頂点の値からみえる傾向を用いてQUICKが設定したいくつかのテーマからお好みの形を選ぶこともできます。
このほか、日本経済新聞社の配当予想(今期)をもとに配当利回りがどの程度あると見込めるのか、株主優待制度があるか、最低投資金額(5万円以上)の上限をいくらにするのか、といったことも検索条件に盛り込めば、より投資銘柄を絞り込むことができるでしょう。
五角形のチャートから気になる銘柄が見つかったら、企業名をクリックし、個別企業の詳細画面を開いてみましょう。現在の株価情報のほか、QUICKが独自に算出するQUICKスコアのすべてを詳細にみることができます。株価変動や為替の影響の大きさ、株価のトレンドなどテクニカル評価も含めた「マーケットスコア」6つも確認することができます。
投資銘柄「探し」だけではもったいない!
投資銘柄を探し当てた後も、この五角形のチャートは株式投資に十分に役立てていただけることでしょう。正五角形を描く銘柄はなかなかないものです。保有株のチャートを描画することで、保有株に足りないスコアが見えてくると思います。財務や業績などのファンダメンタルズ指標や株価動向などをもとにしたデータを踏まえて、俯瞰的に銘柄を見直すことにもつながります。保有株式の売買のタイミングなどを検討する際にも、ぜひとも役立てていだたきたいツールです。
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