【日経QUICKニュース(NQN)】外国為替市場で「最弱通貨」を巡る争いが再燃している。9日には円が対ドルで一時1ドル=134円台半ばと、2002年2月以来の円安・ドル高水準をつけた。かたやトルコリラは1ドル=17リラ台前半まで水準を切り下げ、昨年12月につけた過去最安値(18リラ台)が視野に入る。昨年末と比べると、対ドルでの下落率は円が15%、リラが22%となっており、リラが一歩リードしている状況だ。
大規模な金融緩和策を維持する日銀に対し、米連邦準備理事会(FRB)は金融政策を積極的に引き締めるとの観測が根強く円安・ドル高が止まらない。一方、トルコは70%を超えるインフレ率にもかかわらず、エルドアン大統領は6日に「現政府が利上げすることはない」と明言。そのうえで「引き続き利下げしていく」との考えを示し、通貨安の加速を招いている。