QUICK企業価値研究所アナリスト 細貝広孝(2022/06/15)
・今期は海外建設の回復などで小幅営業増益を予想
23/3期の連結業績に関して企業価値研究所では、売上高は2兆2000億円(前期比6%増)、営業利益は1250億円(同1%増)を予想する。海外建設事業の回復などで、連結全体では小幅営業増益を予想している。
・中期的に緩やかな営業増益基調を見込む
続く24/3期の連結業績に関して当研究所では、売上高2兆2500億円(前期比2%増)、営業利益1290億円(同3%増)、25/3期は売上高2兆2800億円(同1%増)、営業利益1310億円(同2%増)を予想。海外事業で高水準な物件売却が継続するとの見方から、緩やかな営業増益基調を見込む。
・前期は完工増も粗利益率の低下で実質営業減益
22/3期の連結業績は売上高が2兆797億円、営業利益が1234億円だった。22/3期より収益認識基準を適用したが、会社側は連結財務諸表に与えた影響は軽微としており、実質的に9%の増収ながら、3%の営業減益だった。完工高は増加したが、粗利益率の低下が響いた。
・リスクファクター ~コスト上昇、設備投資需要減退
・アナリストの投資判断 ~海外開発物件の売却進捗で、株価に上値余地
株価は17年11月に1992年以来の水準となる2598円の高値をつけたが、その後は伸び悩んだ。新型コロナウイルスの影響で20年3月に株価は909円まで下げたが、21年3月には1600円台に乗せるなど、コロナ影響で急落する前の水準を一時回復。足元は1400円台半ばで推移している。当研究所では、建設コスト増など不透明感はあるが、同社の建築完工粗利益率は相対的に高い水準を維持し、海外では開発物件売却が進んでいる。今後も物件売却が進捗するとみており、投資回収による利益成長を確認することで、株価は上値を切り上げるとみている。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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