QUICK企業価値研究所アナリスト 小西慶祐(2022/08/10)
・円安や価格転嫁効果見込み会社計画より強めを継続
23/3期通期の連結営業利益計画について会社側は、1Q決算発表時(7月29日)に、車両生産が期初想定より落ち込むとみて、5600億円→4800億円(前期比41%増)へ下方修正した。しかし、原材料価格や物流費高騰分の販売価格への転嫁、合理化努力、為替の円安効果から過去最高益更新を目指す考えに変更はない。企業価値研究所も、1Qの収益性低下を踏まえ、強めだった営業利益予想を、6000億円→5200億円(同52%増)へ減額する。ただ、2Q以降の為替レートの前提を1ドル=135円と会社想定より円安水準に設定、価格転嫁効果も強めに織り込み、会社修正計画を引き続き上回る予想とした。
・電動車用製品の拡販で来期以降の営業利益も拡大へ
24/3期以降も、営業利益予想を減額するが、拡大局面が続くとの見方に変更はない。高採算なインバータを中心とした電動車用製品が、利益の牽引役になると想定。中長期的な視点で、半導体を確保する動きを示している点も評価したい。第3世代を投入したADAS(先進運転支援システム)製品も、主要取引先であるトヨタ(7203)以外へ拡販が進む可能性があり注目したい。
・リスクファクター ~主要メーカーの生産・販売動向
・アナリストの投資判断 ~利益成長期待から中期的な上値余地は依然大きいとみる
直近の株価に基づく23/3期の当研究所予想PERは14倍。過去60カ月(一過性費用が発生した20/3期と21/3期を除く)の平均PER17倍との比較では、割安感がある。今後は、足元の収益性が低いことは懸念材料だが、インバータを中心とした電動車用製品やADAS製品の拡販による利益の拡大を予想。自己株式の取得を決めるなど株主還元に対する同社の姿勢も評価、中期的な株価の上値余地は依然大きいと考えている。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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