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東海旅客鉄道(9022) 新幹線の利用回復が緩やかになるとみて、当研究所業績予想を下方修正

QUICK企業価値研究所アナリスト 唐木健至(2022/08/24)

・前期との比較では今・来期と営業増益を予想
 1Q決算発表を受け企業価値研究所では、今23/3期の連結業績予想を下方修正。営業利益を3630億円→3330億円(前期は17億円の利益)とした。1Qの新幹線利用は想定を上回ったが、足元における新型コロナウイルスの感染拡大で今後の利用回復が緩やかになるとみて予想を引き下げた。一方、前期との比較では、ワクチンや治療薬の普及で新型コロナウイルスの影響が和らぎ、輸送需要が回復するとみて営業増益の予想としている。
 来24/3期の連結業績予想も、新幹線の利用想定を引き下げ、営業利益を4740億円→4710億円(前期比41%増)に減額した。一方、前期との比較では経済活動の正常化に伴い輸送需要の回復が続くと想定。新幹線の大規模改修引当金の取り崩しが23/3期で終了することに伴う費用増加はあるものの、営業増益の予想としている。

・1Qの新幹線収入はコロナ前の69%の水準
 23/3期1Qの新幹線収入は緊急事態宣言が出されていた前年同期と比べ2.0倍に。ただ、新型コロナウイルス禍前の19/3期1Q比では69%の水準にとどまった。

・リスクファクター ~東海地震など

・アナリストの投資判断 ~損益改善をにらみながら徐々に水準を切り上げる展開を予想
 直近株価での当研究所23/3期末BPS予想に基づく予想PBRは0.86倍と、過去3年の実績PBRの平均(0.90倍)を若干下回る。ただ、当研究所では新型コロナウイルスの影響解消後も、オンライン会議の普及に伴う企業の出張抑制で新幹線の輸送需要が伸び悩むとみることなどから、株価も過去3年をやや下回る評価が妥当と考えている。足元の株価は概ね妥当な水準にあるとみており、今後は中長期的観点から、損益の改善をにらみながら徐々に水準を切り上げる展開を予想する。

 

(提供:QUICK企業価値研究所)
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著者名

唐木 健至

シニアアナリスト

運輸セクター担当

 

【プロフィール】

早稲田大学政治経済学部卒。野村総合研究所入社。その後、国内のコンサルティングファームをへて、2006年、QBR(現QUICK企業価値研究所)入社。企業アナリストとして、運輸セクターを担当、現在に至る。

 

日本証券アナリスト協会検定会員

日本証券アナリスト協会 ディスクロージャー研究会 運輸専門部会 評価実施アナリスト


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