QUICK企業価値研究所アナリスト 小西慶祐(2022/09/01)
・原材料価格高騰が当研究所の予想以上に利益圧迫
23/3期通期の連結営業利益見通しについて会社側は、1Q決算発表時(8月2日)に、295億円→223億円(前期比29%減)へ下方修正した。自動車生産が期初想定を下回る見通しになったためとしている。企業価値研究所も、営業利益予想を340億円→250億円(同20%減)へ減額。営業増益予想から一転、営業減益見通しへ変更した。自動車生産はおおむね想定通り推移しているが、原材料価格高騰が予想以上に利益を圧迫していることを踏まえた。為替前提の違いや固定費の抑制に期待し会社計画を上回る予想とした。ただ、前期比較では2割の営業減益の見通しであり、ネガティブに捉えている。
・来期以降も従来想定の利益水準に届かないと予想
24/3期以降も、利益回復局面へ転じる見通しとしたが、従来想定の利益水準には届かないと見込んだ。前期比較では、シールは、半導体不足の解消による自動車生産の復調から底堅く推移すると予想。電子部品も、車載向けの販売伸長などが寄与し、24/3期に営業黒字へ転換する見通しとした。ただ電子部品は、米系スマートフォンメーカーの生産動向に振り回される基本的な構図に変化はないと考えており、注意が必要との見方を継続する。
・リスクファクター ~電子部品での受注変動
・アナリストの投資判断 ~当面の上値は重いとみるが配当利回りは依然高い
直近の株価に基づく23/3期の当研究所予想PERは11倍。過去60カ月(業績が大きく悪化した19/3期~21/3期を除く)の平均PER12倍との比較では、若干の割安感がある。ただ、業績計画の下方修正を実施したこともあり、当面の株価の上値は重いとみる。一方、配当利回りは4%前後と依然高く、下値不安は少ないとも考えている。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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