QUICK企業価値研究所アナリスト 堀内敏成(2022/09/12)
・1Qの純利益は前年同期比80%増の2016億円
23/3期1Qの連結業績は前期に続き好調を維持し、純利益が前年同期比79.8%増の2016億円となり、四半期での最高益を更新した。非資源・資源両分野がともに好調に推移。非資源分野では、アグリ事業、航空・船舶、化学品、電力が増益を牽引。金融・リース・不動産、食料、建機・産機・モビリティ等も好調を持続。非資源分野の実態純利益は1110億円となり、四半期で初めて1000億円を超過。資源分野では原料炭の市況上昇やエネルギートレードの好調推移などが増益に貢献した。
・25/3期は既存事業の収益力強化などの効果で増益へ
企業価値研究所では1Qの実績を踏まえ、23/3期通期の純利益予想を小幅増額。一方、足元の資源市況の軟化を踏まえ、24/3期および25/3期の予想を引き下げた(下表「業績データ」参照)。ただ、25/3期は世界景気の持ち直し傾向や、北米穀物事業をはじめとする既存事業の収益力強化の進展で増益に転じるとみている。同社が進める北米穀物事業の再編によるキャッシュ・フローの改善は、財務基盤の一段の強化や成長投資、株主還元への強化に寄与することが見込まれる。
・リスクファクター ~世界景気の後退など
・アナリストの投資判断 ~財務体質の改善、経営改革進展などへの評価が株価を支える見通し
株価は21年8月以降、22/3期の連結業績が極めて好調に推移したことを背景に上昇が継続。22年3月には上場来高値となる1507.0円をつけた。直近は1400円前後で推移。同社は23/3期より3カ年中計「GC2024」を推進し、中長期的な企業価値向上に取り組む。財務体質の改善も進み、22年2~4月には自己株式取得も実施した。今後も積極的な経営改革の推進が見込まれ、これらへの評価が株価の底堅い推移を支えると当研究所では見込んでいる。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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