【NQNニューヨーク=古江敦子】15日の米株式市場でソフトウエアのアドビ(ADBE)の株価が急反落し、一時は前日比17.9%安の305.00ドルをつけた。15日朝に発表した2022年6~8月期決算と9~11月期見通しで売上高がともに市場予想を下回った。併せて同業の米フィグマを200億ドルで買収すると発表し、財務負担を嫌気する売りも出た。
6~8月期の売上高は前年同期比13%増の44億3300万ドルとQUICK・ファクトセットがまとめた市場予想(44億4000万ドル)に届かなかった。画像処理ソフトなどを含む主力のデジタルメディア部門が市場予想ほど伸びなかった。販管費や研究開発費などコスト増が響き、純利益は6%減の11億3600万ドルだった。
9~11月期の売上高は45億2000万ドルを見込み、市場予想(46億ドル)を下回る。前年同期比では10%増と6~8月期から減速する。マクロ経済の悪化やドル高に伴う海外事業の目減りを映した。
併せて、フィグマの買収を発表した。クラウド上でスマートフォンのアプリやウェブサイトの作成を共同作業でできるプラットフォームを手掛ける。株式と現金の組み合わせで行い、23年内の完了を見込む。