【NQNニューヨーク=古江敦子】26日の米株式市場で配車サービスのリフト(LYFT)の株価が4日続落し、前週末比3.4%安の13.52ドルで通常取引を終えた。UBSが投資判断を「買い」から「中立」に、目標株価を50ドルから16ドルへ7割近く引き下げた。ライバルのウーバーの優位性が増しており、会社や市場平均の業績予想は「高すぎる」と指摘した。
UBSの独自調査によると、複数の配車アプリを使って乗客を探すドライバーの多くはウーバーを優先しており、消費者の配車アプリ利用回数でもウーバーがリフトを上回っているという。担当アナリストは「リフトはドライバー数が伸びないうえ、ウーバーのような海外進出やタクシー業界との提携といった戦略もなく、成長が限られる」と指摘した。
2022年10~12月期の売上高は11億3500万ドルと予想し、市場予想(11億6800万ドル)を下回るとみる。リフトは24年12月期通期の調整後のEBITDA(利払い前・税引き前・償却前利益)で10億ドルを目標にしているが「売上高の伸び鈍化やドライバーの保険料上昇で達成は難しい」と主張した。
目標株価は23年12月期予想ベースで企業価値(EV)が予想売上高の何倍かを示す「EV/売上高倍率」を1.1倍として算出した。収益予想の下方修正を映し、目標株価を引き下げた。