QUICK企業価値研究所アナリスト 柊宏二(2022/10/18)
・上期は増収増益も会社は通期利益計画を下方修正
23/2期上期連結業績は前年同期比1割の増収、営業利益が同16%増の313億円。中国ではロックダウンの影響を受け、ロックダウン後の需要回復も鈍く、ACサーボモータの一般産業向けなどが減速。モーションコントロールは原材料費・物流費高騰の影響もあり増収減益。ただ、ロボットは自動化投資の需要が依然旺盛で増収増益。円安効果や特殊要因もあり、全体で増益となった。一方で、会社は原材料費・物流費高騰を勘案し、通期営業利益計画を720億円→700億円(前期比32%増)に下方修正。
・当研究所の営業利益予想は据え置く
企業価値研究所は23/2期の営業利益予想700億円を据え置く。上期は円安効果や特殊要因を踏まえると実質的には減益で、会社の実質的な下方修正幅も大きく、中国の回復の弱さや原材料費・物流費高騰などが響いたとみる。ロボットの成長持続や円安効果等の好材料もあるが、利益回復に勢いが出る状況ではないと判断した。24/2期、25/2期の営業利益予想も継続。為替想定を円安に見直したが、需要の鈍化やコストの高止まり等を織り込んだ。予想期間中の配当は増加基調を見込む。
・リスクファクター ~中国の景気減速、コスト高など
・アナリストの投資判断 ~株価は底堅いとみるが回復は遅れる可能性あり
株価は直近で年初来安値圏にある。現状の当研究所の23/2期予想PERは約20倍。セクター平均に比べ依然高いが、同社の過去の平均水準(過去5年平均約38倍)を下回る。同社としては割安で、ロボットの成長継続や円安による増益効果への期待などもあり、当面の株価は底堅い推移を見込む。ただ、業績への影響が大きい中国をはじめ世界的に需要減速の懸念が燻る中で、株価の本格回復は遅れる可能性があるとみる。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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