QUICK企業価値研究所アナリスト 小西慶祐(2022/10/27)
・今期は車載や機器装置が牽引し過去最高益更新へ
23/3期通期の連結営業利益計画について会社側は、過去最高更新となる期初公表の2100億円(前期比23%増)を据え置いた。企業価値研究所では、家電の需要低調を背景に家電・商業・産業用の利益回復が鈍いことを反映、営業利益予想を2300億円→2250億円(同32%増)へ若干減額する。ただ、為替レートの前提の違いから引き続き会社想定より強めの予想を継続。既存製品の収益力が改善している車載や、M&Aで業容が拡大した機器装置を牽引役に、過去最高益を更新するとの見方を変えない。24/3期以降も、業績の拡大が続く見通し。
・中国と欧州でのBEVの普及は同社に追い風とみる
注目の車載のBEV(電気自動車)用トラクションモータシステムに関して会社側は、現在内製している欧州OEMにおいて、外部調達へ切り替える動きがあるほか、コスト削減が進展した第2世代の投入でBEV用トラクションモータシステムの黒字化がみえてきたと説明した。当研究所では、中国と欧州中心にBEVの普及が想定以上に早く進んでいることは、同社の業績にとって追い風とみており、24/3期の黒字化を引き続き予想している。
・リスクファクター ~創業者に依存する経営体制
・アナリストの投資判断 ~成長の期待値高く、株価の見直し余地も大きいとみる
直近の株価に基づく翌24/3期の予想PERは22倍。同社の過去60カ月(一過性費用を計上した20/3期を除く)の平均PER40倍との比較では割安感がある。永守会長の能力と手腕に依存する経営体制は長期的なリスク要因と捉えているが、BEV用トラクションモータシステムの受注拡大や、機器装置でのM&Aなどによる利益成長の期待値は高く、株価の持ち直し余地も引き続き大きいと考えている。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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