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富士通(6702) 受注動向なども踏まえ、当研究所予想を据え置き

QUICK企業価値研究所アナリスト 豊田博幸(2022/10/31)

・23/3期2Q3カ月の営業利益は58%増
 23/3期2Q3カ月の連結営業利益は前年同期比57.9%増の754億円。成長投資や部材供給遅延などが響いたが、アジャイル(小単位で実装・テストを繰り返し、短期間の開発・リスク最小化を図る手法)開発をはじめ全社の業務改革などに加え、事業売却益(285億円)などが貢献。足元の受注動向なども踏まえ、企業価値研究所による23/3期連結業績予想を据え置き、売上収益を3兆7100億円(前期比3%増)、営業利益を3950億円(同80%増)とする。23/3期3Q以降の前提為替レートは1ドル=135円→148円、1ユーロ=140円→145円に見直した。

・テクノロジーソリューション部門を強化
 テクノロジーソリューション部門を強化。For Growth(デジタルを主体として、顧客の変革と成長に貢献する事業領域)とFor Stability(システム保守・運用やプロダクト提供など顧客のIT基盤の安定稼働への貢献と品質向上に取り組む領域)に分ける。23/3期上期の連結売上収益はFor Growthが前年同期比2%増の4906億円、For Stabilityが前年同期並みの9347億円。

・リスクファクター ~海外展開力の弱さ

・アナリストの投資判断 ~今後の株価は市場平均並みに
 主力であるテクノロジーソリューション部門を主体とする事業体制を強化。ユビキタスソリューション部門およびデバイスソリューション部門は事業売却や提携なども含め事業構造改革を推進する考えに変化はない。円安による部材価格高騰の影響が懸念されるが、今23/3期営業利益は3950億円(前期比80%増)を予想する。ただ、海外ビジネスの遅れがやや懸念材料であり、今後の株価は市場平均並みで推移するとみている。

 

(提供:QUICK企業価値研究所)
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著者名

豊田 博幸

調査部長

電機・精密担当


【プロフィール】
1985年、東京証券(現東海東京証券)入社。企業アナリストとして主に自動車、機械など製造業中心に担当したほか、投資情報業務にも従事。営業企画部や経営企画部など経営企画部門も経験。2000年、QBR(現QUICK企業価値研究所)に勤務。2011年より調査部長、現在に至る。「森羅万象、無駄になる情報は無し」を信条に、調査活動に従事する。


日本証券アナリスト協会 ディスクロージャー研究会 電気・精密機器専門部会 評価実施アナリスト


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