QUICK企業価値研究所アナリスト 小西慶祐(2022/11/01)
・為替レートの前提の違いから会社計画より強めを継続
23/3期通期の連結営業利益計画について会社側は、従来の4800億円(前期比41%増)を据え置いた。為替の円安進行がプラスに働くものの、上期に計画対比減産した日本拠点の採算悪化などを織り込んだとしている。企業価値研究所は、営業利益予想を、5200億円→5000億円(同47%増)へ再度減額。北米拠点の採算が改善していないことを反映した。ただそれでも、下期以降の為替レートの前提を1ドル=148円と会社想定より円安水準に設定し、会社修正計画より引き続き強めを予想。合理化や為替の円安進行などから、過去最高を更新する見通しとした。
・電動車用製品の拡販を牽引役とした利益拡大を予想
24/3期以降に関しては、北米拠点の収益改善が遅れていることを反映したが、現在推進中の構造改革の成果が徐々に出てくると想定。その上で、為替の円安効果を織り込み、営業利益予想を増額、利益の拡大局面が続くとみている。高採算なインバータを中心とした電動車用製品が、利益の牽引役になると想定。中長期的な視点で、半導体を確保する動きを示している点も評価したい。第3世代を投入したADAS(先進運転支援システム)製品も、主要取引先であるトヨタ(7203)以外へ拡販が進むとみている。
・リスクファクター ~主要メーカーの生産・販売動向
・アナリストの投資判断 ~PERで割安感。中期的な上値余地は依然大きいとみる
直近の株価に基づく翌24/3期の当研究所予想PERは12倍。過去60カ月(一過性費用が発生した20/3期と21/3期を除く)の平均PER17倍との比較では、割安感がある。インバータを中心とした電動車用製品や、ADAS製品の拡販による利益の拡大を予想、株価の上値余地は依然大きいとの見方を変えない。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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