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キヤノン(7751) 円安で今期の営業利益を増額するが、来期以降は慎重にみる

QUICK企業価値研究所アナリスト 谷林正行(2022/11/09)

・今期予想は営業35%増益へ
 企業価値研究所は22/12期の連結予想営業利益を3750億円→3800億円(前期比35%増)に引き上げた。円安やイメージングの順調な進捗などで増額した。ただ、急激な円安で為替差損が発生したため純利益は2620億円→2470億円(同15%増)に減額した。来期以降の営業利益は、主力のプリンティング、イメージングの伸び悩みなどでわずかな増益を想定している。

・牽引役であるイメージングの営業利益率は高水準
 セグメント別営業利益では、最近はイメージングが牽引役となっている。直近の3Qの同セグメントの営業利益率は18%と非常に高いレベル。今後の販促活動などによって低下する可能性があるほか、欧米を中心とした金利上昇などによる景気減速の影響を受けるリスクも考えられる。

・22/12期3Q累計の営業利益は前年同期比24%増
 22/12期3Q累計の連結営業利益は2561億円(前年同期比24%増)となった。イメージングやインダストリアルその他の半導体用露光装置が好調だった。

・リスクファクター ~海外依存度の高さ、提携先の業況など

・アナリストの投資判断 ~株式相場全体に準じた値動きを見込むが、景気減速のリスクに留意
 当研究所では今後の株価について、概ね株式相場全体の値動きに準じた推移を見込むが、パフォーマンスが悪化するリスクもあるとみている。通期の会社計画において税引前利益、純利益が下方修正となったことなどで3Q決算発表直後に値下がりしたが、これは為替相場の急変による一過性のものと認識している。今後については、欧米を中心とした金融引き締めでイメージングを中心に景気減速の影響を受けるリスクが考えられる。

 

(提供:QUICK企業価値研究所)
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著者名

谷林 正行

シニアアナリスト

民生エレクトロニクス、精密機器、総合重機セクター担当


【プロフィール】
東京大学工学部反応化学科卒、山一証券経済研究所入社、ベンチャーキャピタル、格付機関、IRコンサルティング会社を経て現在に至る。
新技術、テーマを中心としたレポート作成やベンチャー企業の将来性の判断、財務面を中心とした企業分析など、過去に携わった業務経験を活かし、様々な視点から対象企業を分析することを心掛けている。


日本証券アナリスト協会検定会員

日本証券アナリスト協会 ディスクロージャー研究会 電気・精密機器、機械専門部会 評価実施アナリスト


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