QUICK企業価値研究所アナリスト 小西慶祐(2022/11/28)
・SUV投入による製品構成の改善効果を強めに見込む
会社側は上期決算発表時(11月8日)に、23/3期通期の連結営業利益計画を1950億円→2900億円(前期比51%増)へ大幅に上方修正した。企業価値研究所も、強めだった営業利益予想を、2450億円→3100億円(同62%増)へ再度増額。会社計画と同様に、インド四輪子会社マルチ・スズキの販売好調と、為替の円安効果を反映した。マルチ・スズキでの新型SUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)2車種投入による製品構成の改善効果を強く織り込み、会社修正計計画を上回る予想とした。前期比較では、6割強の営業増益が達成可能とみている。
・マルチ・スズキが牽引し25/3期に過去最高益更新へ
24/3期以降も、従来予想を増額。マルチ・スズキが引き続き業績の牽引役となり、25/3期には営業利益で過去最高を更新する見通しとした。インドでは、BEV(電気自動車)生産のための能力増強、BEV向け車載用電池工場の建設などの合計で約1500億円、四輪車の生産能力の増強として約1100億円ルピー(1インドルピー=1.60円換算で約1760億円)を投資することを発表済み。当研究所では、インド乗用車市場でシェア1位を維持するための必要な投資とみて、これらの決定を前向きに捉えている。
・リスクファクター ~マルチ・スズキへの高依存度など
・アナリストの投資判断 ~株価の緩やかな持ち直しを引き続き予想
直近の株価に基づく翌24/3期の当研究所予想PERは11倍。過去60カ月の平均PER14倍との比較では、割安感がある。今後は、為替動向に注意を要するが、インド四輪市場の高成長への復帰に伴い、株価も緩やかに持ち直す展開を引き続き予想する。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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