QUICK企業価値研究所アナリスト 小西慶祐(2022/12/07)
・電子部品の構造改革進展も、シールの見通しを減額
会社側は10月25日に、電子部品のコスト抑制などを踏まえ、23/3期通期の連結営業利益計画を、223億円→233億円(前期比26%減)へ若干上方修正している。他方、企業価値研究所は、強めの営業利益予想250億円(同20%減)を維持する。電子部品の2Q3カ月の営業損益が黒字転換するなど、コスト構造改革の成果が予想以上に出てきたことを評価。ただ、半導体不足の長期化などを反映しシールの見通しを引き下げ、全体では据え置いた。前期比では、原材料価格高騰が響き連結全体で2割の営業減益を予想、今期は厳しい情勢と考えている。
・来期以降は営業利益で回復局面へ転じると予想
24/3期以降は、電子部品のコスト構造改革の進展を反映し、従来の営業利益予想を増額。営業利益で回復局面へ転じるとの見方を継続する。前期比較では、シールは、半導体不足の緩やかな解消による自動車生産の復調から、底堅く推移すると予想。電子部品も、自動車向けの販売伸長などが寄与し、24/3期に営業黒字へ転換する見通し。ただ電子部品は、米系スマートフォンメーカーの生産動向に振り回される基本的な構図に変化はないと考えており、注意が必要と引き続き考えている。
・リスクファクター ~電子部品での受注変動
・アナリストの投資判断 ~株価指標面で割安感。緩やかな持ち直しを予想
直近の株価に基づく翌24/3期の当研究所予想PERは9倍。過去60カ月(業績が大きく悪化した19/3期~21/3期を除く)の平均PER12倍との比較では、割安感がある。配当利回りも、4%前後と依然高い。今後の株価は、電子部品の受注動向に注意を要するが、株価指標面での割安感を支えに緩やかに持ち直す展開を予想する。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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