【NQNニューヨーク=松本清一郎】15日の米株市場で値動きが目立った銘柄は以下の通り。△は上昇、▲は下落。
◎通信のベライゾン・コミュニケーションズ(VZ) △0.9%
モルガン・スタンレーが15日、投資判断を「中立」から「買い」に、目標株価を41ドルから44ドルに引き上げた。前日終値を17%上回る。株価は前日まで年初来で28%安と競合相手のAT&T(2%高)に大きく見劣りするが、景気の影響を受けにくい事業内容を考えると「バリュエーションの観点から魅力的だ」と指摘した。
◎SNS(交流サイト)のスナップ(SNAP) ▲8.2%
ジェフリーズが15日、投資判断を「買い」から「中立」に、目標株価を12ドルから10ドルに引き下げた。アップルの基本ソフトの個人情報保護強化でターゲット広告が打ちにくくなっているうえ、米景気後退もネット広告市場の逆風になるという。目標株価は前日終値を5%上回るが、株式市場で景気後退リスクが意識される中、売られやすかった面もある。
◎バイオ製薬のノババックス(NVAX) ▲34.3%
最大1億2500万ドルの公募増資と、同額の転換社債の発行を14日夕に発表した。調達資金は新型コロナワクチンの世界的な販売や、来年2月に満期を迎える転換社債の返済および買い戻しなどに充てる。また、英国とのワクチン供給契約を修正し、契約していた1500万回分の半分しか供給しないと明らかにしたのも嫌気された。
◎半導体のエヌビディア(NVDA) ▲4.1%
HSBCが14日夕、投資判断「売り」で銘柄調査を始めた。目標株価は136ドルに設定した。14日終値を23%下回る。5~10年後の長期では売上高成長を強気にみているが、短期的な在庫調整と需要の不確実性が逆風になるという。2024年の利益は「市場予想を9%下回る」とも指摘した。
◎メディアのワーナー・ブラザーズ・ディスカバリー(WBD) ▲8.9%
会社が米証券取引委員会(SEC)に提出した資料で、構造改革費用を従来想定の32億~43億ドルから41億~53億ドルに増えると明らかにした。コンテンツ関連の損失などが想定を上回る。メディア大手の合併で4月に誕生して以降、構造改革によるコスト削減を進めてきた。
◎オンラインゲームを運営するロブロックス(RBLX) ▲15.8%
15日朝に発表した11月実績で収益の先行指標で、ゲーム内のアイテム購入に使う通貨の購入額など「ブッキングズ」が2億2200万~2億2500万ドルと市場予想(2億3700万ドル)を下回った。ドル高が響いた。1日当たりの平均利用者数は5670万人と10月の5820万人から減少した。