【日経QUICKニュース(NQN)】
■ファストリの岡崎CFO、中国事業「1月の売り上げ急回復、成長軌道に戻していける」
カジュアル衣料品店「ユニクロ」などを展開するファーストリテイリング(9983)は12日、2022年9~11月期の決算会見をオンラインで開いた。新型コロナウイルス感染拡大に伴う行動規制で販売が苦戦した中国ユニクロ事業について、岡崎健最高財務責任者(CFO)は「1月に入ってからは、足元で売り上げが急回復している」と明らかにした。直近の既存店売上高は2桁増収という。
岡崎氏は「ウィズコロナの生活が定着すれば、成長軌道に戻していけると考える」と話した。22年12月は、中国政府の行動規制緩和で売り上げが一時的に急回復したが、中旬以降に外出自粛が強まって売り上げが再び低下した。足元の感染状況は落ち着きつつあるという。岡崎氏は「1カ月の間に大きく変化している」と述べた。
■賃上げで人件費増「グローバルの売り上げで吸収」
国内従業員の賃上げについて、岡崎氏は「23年8月期の連結業績予想には織り込みきれていない」と話した。一方、業績予想の変更はしない方針。岡崎氏は「グローバルの好調な売り上げで(人件費の増加は)吸収していける」と述べた。ファストリは3月から国内従業員の賃金を引き上げる。能力などに応じ、年収ベースで最大4割引き上げる。グローバル基準に合わせることで人材獲得を強化する。
■株式分割「まずは3分割、一気に投資家層変えたいわけではない」
株式分割については「まずは3分割。投資家層を拡大したいが、一気に投資家構成を変えていきたいわけではない」と話した。ファストリは3月1日付で株式1株を3株に分割する。同氏は「我々のファンの株主を増やしていきながら、その先はその時点で考えたい」と述べた。現時点の投資家構成や株式流動性は「適切」との認識を示した。