【日経QUICKニュース(NQN)】米格付け会社S&Pグローバル・レーティングは23日、ファーストリテイリング(9983)の長期発行体格付けの見通しを「安定的」から「ポジティブ」に引き上げた。デジタル技術を活用したサプライチェーン(供給網)の構築で高い収益性を保つとみているほか、グローバルな販売拡大で日本と中国以外の市場の収益貢献が進むと判断した。
S&Pはファストリが進めてきたサプライチェーン改革が在庫の最適化やリードタイムの削減などにつながっていると評価。経営環境が厳しいなかでもEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)マージンが今後も20%超の高い水準を保つとみている。さらに積極的な出店と商品政策で「今後、日本と中国以外の市場の収益が増加する」とした。
長期発行体格付けは「シングルA」で据え置いた。健全な財務基盤を維持したうえで、2023年8月期以降もEBITDAマージンが現在の水準を保ち、日本と中国以外で収益源の地理的な分散が進めば格上げを検討するという。