QUICK企業価値研究所アナリスト 小西慶祐(2023/02/13)
・半導体不足の緩やかな解消で販売台数の復調を予想
23/3期通期の連結営業利益見通しについて会社側は、22年11月公表の従来計画2兆4000億円(前期比20%減)を据え置いた。企業価値研究所も、強めの営業利益予想2兆7000億円(同10%減)を変更しない。半導体不足や足元の為替の円高進行を考慮したが、3Q3カ月の収益性が想定を上回ったことを評価した。他方、来期以降は、為替レートの前提を1ドル=148円→130円と大きく円高方向に見直したほか、半導体不足の長期化を踏まえて販売台数を引き下げ、従来の営業利益予想を減額した。ただそれでも、半導体不足の緩やかな解消から前期比較では販売台数の復調を予想。原価低減も加わり、24/3期に営業利益で過去最高更新するとの見方を変えない。
・社長交代で一段踏み込んだBEV戦略の明示に期待
同社は1月26日に、4月1日付けの役員人事を発表。豊田章男氏が会長となり一線から離れ、佐藤恒治氏が新たに社長に就任する。当研究所では、電動車の普及にあたり全方位で取り組む同社の姿勢に理解を示す一方、BEV(電気自動車)市場での存在感が薄いことが課題と指摘してきた。社長交代により、一歩踏み込んだBEV戦略を明示し、BEV市場でも存在感を示せるか注目したい。
・リスクファクター ~半導体不足、原材料価格、為替
・アナリストの投資判断 ~来期最高益更新で緩やかな株価持ち直しを引き続き予想
直近の株価に基づく翌24/3期の当研究所予想PERは10倍。同社の過去60カ月の平均PER9倍との比較では、割安感はない。BEV市場でシェアが低いことも懸念されるが、半導体不足の緩やかな解消や原価低減で来期営業利益は過去最高更新を予想、株価も緩やかに持ち直す展開を引き続き予想する。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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