【NQNニューヨーク=川上純平、稲場三奈】
■スナップ急騰、TikTok禁止法案の米上院への提出見通しで
6日の米株式市場で写真・動画共有アプリ「スナップチャット」を運営するスナップ(SNAP)が急騰し、一時は前週末比14.4%高の12.18ドルを付けた。中国発の動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国内での利用を禁じる法案が米上院に提出される見通しになった。下院でも審議が進む見込み。成立すれば競合相手が減り、利用者や広告収入が増えるとの期待から買われた。
ティックトックは若者を中心に約1億人の米国人が利用しており、膨大なデータが中国に流出しているとの懸念から規制強化の動きが表面化している。ただ、与党民主党には規制に反対する議員も多いとされ、法案が成立するかどうかは見通せていない。ティックトックを巡っては、欧州連合(EU)でも議員や職員に私的な利用をやめるよう勧告する動きが出ている。
ティックトックの利用が禁じられれば、同アプリへの利用者の流出に悩まされてきた米SNS(交流サイト)や動画投稿サイトにとっては追い風となる。6日の米株市場ではSNSのメタプラットフォームズやピンタレスト、動画投稿サイト「ユーチューブ」を運営するアルファベットも上昇した。
■テスラが反落、米国で高級車種を値下げ
6日の米株式市場で電気自動車(EV)のテスラ(TSLA)が反落し、一時は前週末比1.7%安の194.46ドルを付けた。5日に米国で高級車種の値下げを発表したのを受け、売りが先行した。ただ、値下げによる販売増加の期待から買いも入り、下値は限られている。
対象となったのは高級セダン「モデルS」と高級SUV(多目的スポーツ車)「モデルX」で、4~9%値下げした。昨年10月と今年1月に値下げした中国などでは販売が急回復しており、値下げが需要を刺激し、工場稼働率の向上につながるとの前向きな見方もある。
イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は1日、投資家向けイベント「インベスターデー」で「テスラ車を買いたいという人々の欲求は非常に強い。それを阻止しているのが価格だ」と述べていた。
■アップルが3%高、ゴールドマンが「買い」で調査開始
6日の米株式市場でスマートフォンのアップル(AAPL)が3日続伸し、一時は前週末比3.3%高の156.07ドルを付けた。ゴールドマン・サックスが投資判断「買い」で調査を始めた。アプリ販売や音楽配信などサービス部門の収益拡大が株高につながると予想し、好感した買いが入った。
目標株価は199ドルに設定した。アナリストはアップル製品の利用者による強固なエコシステム(経済圏)がサービス利用料の伸びにつながると評価し「今後5年間の利益成長の大部分はサービス部門によってもたらされる」と予想した。「iPhone(アイフォーン)」など端末販売の増減が業績に与える影響が薄まり「収益成長が見通しやすくなる」と指摘した。
端末販売は、買い替え周期の長期化や供給網の混乱などにより「短期的な逆風に直面している」という。一方で「端末販売の鈍化に株式市場の関心が向かっており、エコシステムの強さを覆い隠してる」とも指摘した。