【NQNニューヨーク=戸部実華、横内理恵】
■ユナイテッド航空が上昇 出張需要回復が追い風
7日の米株式市場で空運のユナイテッド航空ホールディングス(UAL)が大幅に反発し、一時は前日比5.0%高の55.04ドルを付けた。エクサンBNPパリバが投資判断を「アンダーパフォーム」から「アウトパフォーム」、目標株価を36ドルから70ドルに引き上げ、好感した買いが入った。
担当アナリストは主力の国内外路線での値上げによって、今年の売上高は従来予想から上振れすると分析した。一部の同業他社は飛行機の納入の遅れや人手不足などの影響が出やすいなか、ユナイテッド航空は2025年にかけて1座席当たりのコストを横ばいで維持できるとみる。ビジネス用の利用が多いため、米国内の出張需要の回復の兆しも追い風になると見込む。
■メタが一時3%高 追加の人員削減の報道受け
7日の米株式市場で交流サイトのメタプラットフォームズ(META)が反発し、一時は前日比3.0%高の190.36ドルを付けた。ブルームバーグ通信が6日夜、「早ければ今週にも数千人規模の新たな人員削減に踏み切る計画がある」と報じた。追加リストラによる一段のコスト削減を期待した買いが入った。
メタは昨年11月に全社員の13%に当たる1万1000人以上を減らす計画を発表しており、それに続く大規模な人員削減とみられる。組織の効率化や組織構造のフラット化を進めている。管理職に退職パッケージを提供したり、不要とみられる部署を削減したりしているという。
景気減速や競争激化を背景にネット広告事業を取り巻く環境が悪化するなか、2022年10~12月期は3四半期連続の減収となった。マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は2月の決算発表時に「2023年は効率化の年になる。人員削減は始まりにすぎない」と述べていた。
■スポーツ用品店のディックスが急伸、業績見通しが市場予想上回る
7日午前の米株式市場でスポーツ用品店のディックス・スポーティング・グッズ(DKS)が急伸し、一時は前日比10.5%高の146.03ドルと過去1年(52週)の高値を付けた。7日朝発表の2022年11月~23年1月期決算と24年1月期通期の業績見通しが市場予想を上回った。大幅増配も発表し、好感した買いを集めた。
11~1月期の売上高は前年同期比7%増の35億9671万ドルと四半期ベースで過去最高となり、QUICK・ファクトセットがまとめた市場予想(34億5000万ドル)を上回った。市場シェアが拡大し、既存店売上高は5.3%増と市場予想(2%)以上に伸びた。費用増で32%減益だったが、特別項目を除く1株利益は2.93ドルと市場予想(2.88ドル)以上だった。
24年1月期の特別項目を除く1株利益は12.90~13.80ドルを見込み、下限でも市場予想(12ドル)を上回る。既存店売上高見通しは「横ばいから2%増」と微増との市場予想に比べて強かった。決算資料では「過剰在庫の削減が進み、在庫水準が非常に良い状態にある」との見方を示した。
併せて年間配当をこれまでの1株当たり1.95ドルから約2倍の4ドルに引き上げると発表した。「増配は業績改善への自信の表れだ」と説明した。