QUICK企業価値研究所アナリスト 篠崎智明(2023/03/09)
・3Q累計は26%の営業減益
23/3期3Q累計の連結業績は、売上高が前年同期比4.3%増の4052億円、営業利益が同25.9%減の205億円だった。新型コロナウイルス感染拡大の影響が和らぎ、B to B事業で業務用乳製品などの販売が回復。海外事業では、育児用ミルクなどの輸出や、ドイツ子会社業績が堅調に推移し、連結売上高は増収を確保した。一方、栄養・機能性食品事業や主力食品事業の高採算商品の販売が伸び悩んだことに加えて、原材料やエネルギー価格の高騰が影響し、連結全体で2割超の営業減益を余儀なくされた。
・23/3期以降の業績予想を据え置く
企業価値研究所では、高採算なビバレッジ(マウントレーニアやリプトンなど)の売上本回復に時間がかかると予想。原材料やエネルギーなどのコスト増影響も長期化するとみている。23/3期の連結業績予想について、従来予想を据え置き、売上高を前期比2.9%増の5180億円、営業利益を同24.5%減の225億円とした。24/3期以降の利益予想も据え置く。営業利益について、24/3期は23/3期並みの225億円、25/3期は前期比13.3%増の255億円と予想した。
・リスクファクター ~原材料高による採算の悪化
・アナリストの投資判断 ~当面の株価は市場平均を下回って推移しよう
23/3期以降の連結業績予想を据え置いたが、ビバレッジなど同社が強みとする高採算商品の販売動向が芳しくない。原材料やエネルギーなどコスト増の影響も長期化すると当研究所ではみている。機能性ヨーグルトやラクトフェリンなどの高採算な成長ドライバーを有している点は評価できるが、短期的な事業環境は厳しい。業績の本格回復には時間を要するとみており、当面の株価は市場平均を下回って推移しよう。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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