【日経QUICKニュース(NQN)】J.フロントリテイリング(3086)は11日、2024年2月期(今期)の連結純利益(国際会計基準)が前期比79%増の255億円になりそうだと発表した。新型コロナウイルス禍からの経済再開を追い風に、主力の百貨店事業やショッピングセンター(SC)事業が業績をけん引すると見込む。
売上高にあたる売上収益は15%増の4130億円、営業利益は2倍の385億円を見込む。百貨店事業では富裕層を中心に好調が続くほか、インバウンド(訪日外国人)消費の回復も業績を押し上げる。今期の年間配当は前期比2円増の1株当たり33円を計画する。
同日発表した23年2月期(前期)の連結決算(国際会計基準)は売上収益が9%増の3596億円、純利益が3.3倍の142億円だった。
■「今期中にコロナ禍前に追いつきたい」
11日に開いた2023年2月期(前期)の決算記者会見で好本達也社長はゴールデンウイーク(GW)期間の百貨店の販売について、経済再開で消費者の外出機会が増えるなか「かなり期待している」とし、「今期中に店頭売り上げで(コロナ禍前の)19年度に追いつきたい」と意気込みを示した。
コロナ禍では国内富裕層を中心に高額商品が伸びたことを巡り、好本社長は「丁寧に接客することの有効性がみえた」と振り返った。もっとも、今後については「海外に出て買い物をする可能性もあるため、継続的に伸びると考えてはいけない」とも語った。
23年2月期 | 前年同期比 | 会社予想比 | QUICKコンセンサス比 | |
売上高 | 359,679 | 8.50% | 0.20% | -1.00% |
営業利益 | 19,059 | 103.20% | 0.30% | -13.20% |
経常利益 | 16,873 | 172.60% | 0.40% | -10.30% |
純利益 | 14,237 | 229.50% | -3.10% | -6.30% |
実績年間配当 | 31 | – | – | – |
2024年2月期予想 | 前年同期比 | QUICKコンセンサス比 | |
売上高 | 413,000 | 14.80% | 5.00% |
営業利益 | 38,500 | 102.00% | 7.80% |
経常利益 | 36,000 | 113.40% | 9.40% |
純利益 | 25,500 | 79.10% | 10.20% |
予想年間配当 | 33 | – | – |
※配当以外の単位は百万円