【NQNニューヨーク=川上純平】25日の米株市場で値動きが目立った銘柄は以下の通り。△は上昇、▲は下落。
◎飲料・食品のペプシコ(PEP) △2.3%
25日に発表した23年1~3月期決算は売上高が市場予想を上回った。値上げで販売数量が減少したものの、売上高は伸びた。同時に23年12月期通期の売上高見通しを上方修正した。経営陣は、値上げに対して需要の落ち込みが小さいことから「安心して見通しを引き上げることができた」と説明した。
◎病院経営のテネット・ヘルスケア(THC) △2.7%
25日に発表した23年1~3月期決算は売上高が市場予想を上回った。昨年と比較可能な医療施設における手術件数と入院患者数が増加したのが寄与した。同時に23年12月期通期の業績見通しを上方修正。売上高などが市場予想以上となり、あわせて好感された。
◎地域銀行のファースト・リパブリック・バンク(FRC) ▲49.4%
24日夕に発表した23年1~3月期決算で、3月末時点の預金残高が22年12月末に比べ大幅に減少したことが明らかになった。借入金が増加し、利ざやの悪化による収益悪化が懸念された。財務基盤を補強するため増資に踏み切る可能性も意識された。
◎化学のダウ(DOW) ▲5.2%
25日に発表した23年1~3月期決算は売上高が前年同期比22%減と苦戦した。市場予想ほど悪化しなかったものの、経営陣は説明会で「短期的には今年も厳しい状況が続く」と述べるなど慎重な見方を示した。米経済の減速で製品需要が鈍っており、業績の先行き不安が意識された。
◎外食のマクドナルド(MCD) ▲0.6%
25日発表の23年1~3月期決算は売上高が市場予想を上回った。値上げにより米国の既存店売上高は12.6%増と好調で、株価は過去1年(52週)の高値を付けた。その後は利益確定売りも出やすく、株価は下げに転じた。
◎物流のUPS(UPS) ▲10.0%
25日に発表した23年1~3月期決算は売上高が市場予想を下回った。併せて示した23年12月期通期の業績見通しもさえず、経営陣は「現在のマクロ経済環境を踏まえると、売り上げへの下押し圧力は今後も続くだろう」と慎重だった。
◎半導体設計ソフトのケイデンス・デザイン・システムズ(CDNS) ▲4.3%
24日夕に23年12月期通期の業績見通しを上方修正した。人工知能(AI)関連の需要が業績を支える。ただ、株価は今年に入ってほぼ右肩上がりで、24日までに3割上昇していたことから目先の材料が出尽くしたとみた売りが出た。アナリストの間では「下期の堅調な需要を考慮すると業績見通しは保守的だ」との見方があった。