【QUICK Money World 辰巳 華世】圧倒的な強さを持った銘柄に投資したい!!多くの投資家が考えることだと思います。ゆるぎない実力を持った銘柄と言えば、グーグルやアマゾン・ドット・コムなどGAFAMの様な超一流の巨大企業を思い浮かべる投資家が多いかと思いますが、今回のテーマは、それとはちょっと異なります。例えば地方に本社がありながら実は世界で稼ぐ企業。今回のテーマは、そんな確かな技術で世界のニッチ市場で戦う優良企業「グローバルニッチトップ」企業についてです。グローバルニッチとは何か、「ニッチトップ戦略」のメリット・デメリット、具体的なグローバルニッチ企業も見ていきましょう。
■グローバルニッチとは?
グローバルニッチとは、世界的にマイナーや小規模であることを指しています。そもそもニッチとは、「隙間」という意味です。世界進出し海外の企業と競合する中でも依然としてニッチな分野である場合にこの言葉が使われます。グローバルニッチとは、世界市場での「隙間産業」のことです。
■グローバルニッチトップ企業とは?
グローバルニッチトップ企業とは、独自の技術力などを武器に世界市場の中でもニッチマーケットで強さを発揮している企業のことです。優れた技術力など差別化戦略により、市場規模は小さいものの、そのニッチマーケットで高い世界シェアを占めています。そして、その製品は世界のサプライチェーンにおいて「なくてはならない」存在として位置づけられています。そんな優良企業がグローバルニッチトップ企業です。
グローバルニッチトップ企業は頭文字を取って「GNT企業」とも言われています。技術力に優れる日本企業は特にニッチマーケットでの存在感が強いと言われています。政府や経済産業省は海外で稼げる中堅・中小を支援し、グローバルニッチトップ企業との関係を強化することが日本経済に求められるとしています。経済産業省のレポートでは、中堅や中小の企業の場合は世界シェアを10%以上持っていることがグローバルニッチトップ企業としてのスクリーニング条件としています。これまで2014年と2020年の2回、「グローバルニッチトップ企業100選」を選定しています。
■ニッチトップ戦略はなぜ注目されている?
ニッチトップ戦略とは、文字通りニッチなマーケットでトップを取りに行く戦略です。独自の高い技術力で差別化をはかり、そのニッチ市場で高いシェアを取りにいきます。
ニッチマーケットはいわゆる隙間産業です。市場規模が小さいので、大企業など競争力のあるライバルがあまり参入してこない傾向があります。競合が少ないので、高いシェアを狙いやすく、その市場で圧倒的な力を持てば、価格決定権を持つことができるのが魅力です。ニッチマーケットで成功すれば、高いシェアと安全性を保つことが可能になります。
ニッチトップ戦略の例えとして、「池クジラ戦略」という考え方があります。これは、大きな海ではなく見つけた池でクジラのような大きな存在になろうということです。大きな市場でトップシェアを目指すのは難しいが、自社が見つけた小規模な市場でトップを目指す戦略です。
中小企業が大企業など競争力をもった強いライバルがたくさんいる大きな市場で戦うのは大変ですが、「池クジラ戦略」を用い、独自の技術を持って自分たちが見つけた小さな市場であれば中小企業でもそのニッチ市場でトップ企業になる可能性があります。
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■ニッチトップ戦略を導入する3つのメリット
ニッチトップ戦略を導入するメリットを見てみましょう。
メリット1:深い問題解決につながる「なくてはならない」商品を開発できる
グローバルニッチトップ企業になるためには、ライバルが少ない市場でその中で自社の強みを生かしていく必要があります。市場を限定し、集中することで、その市場で「なくてはならない物」となる様な製品やサービスを提供していきます。ニッチな市場における深い問題解決につながる商品を開発することができます。
メリット2:価格競争に巻き込まれにくい
ライバルが少なかったり、いない市場で事業展開していくので、価格競争に巻き込まれにくいというメリットがあります。自社に価格決定権があるので、希望価格での商品やサービスが提供でき、高い収益性を保つことができます。
メリット3:広告コストが抑えられる
大衆的なマーケットではなく、ニッチな市場であるうえ、ライバルが少なかったり、そもそもいない事もあるので、広告コストを最小限に抑えることができます。広告を展開しなくても、その市場で「なくてはならない物」の地位を確立していれば、顧客から認知されやすくなります。
■ニッチトップ戦略の二つの注意点
ニッチトップ戦略には注意点もあります。
注意点1:マーケット自体が成長しない可能性がある
そもそも、ニッチなマーケットなので、そのマーケットが成長せずに目標の収益を達成できない可能性があります。そもそもライバルがいなかったり、少ないということは、裏を返せばそれほど大きな利益が見込めない市場と判断しライバルが参入していない可能性も高いです。
注意点2:競合参入の可能性がある
一方で、ニッチ市場でありながらマーケットが成長してくれば、これまで参入してこなかった大手企業などライバルが参入して来る可能性があります。競合が参入してきたら、商品やサービスの差別化などの工夫が必要になります。
■グローバルニッチトップ企業のおすすめ銘柄4選
ここでは、上場しているグローバルニッチトップ企業を4つ紹介します。
NITTOKU(6145)
コイル巻き線機メーカーのNITTOKU。経済産業省「グローバルニッチトップ企業100」に連続して選ばれています。精密コイル製造用自動巻線機等が世界で約40%のシェアを誇るトップメーカー。銅線を巻き付けたコイルは、自動車やスマートフォンや家電にとって必要不可欠な製品です。非接触ICタグ、カード事業も手掛けています。(公式サイト)
ソディック(6143)
放電エネルギーを利用して金属加工をする放電加工機の大手で、数値制御(NC)技術に強みがあります。放電加工機は、大量生産する時に必要となる金型を製造する際に必要な機器です。加工精度や加工速度、また加工品質において世界トップクラスの実力です。(公式サイト)
マニー(7730)
医療機器製造のマニー。白内障手術で使用する眼科ナイフや外科手術で使用する医療機器を製造しています。白内障手術向けの眼科ナイフなど主要製品は世界シェアがトップです。医師の意見を製品に反映していることで、使い心地は医師や専門家から高い評価を得ています。(公式サイト)
小森コーポレーション(6349)
オフセット印刷機やデジタル印刷機を製造・販売する印刷機の大手企業です。経済産業省「グローバルニッチトップ企業100」に連続して選ばれています。日本で唯一の紙幣印刷機メーカーでもあります。デジタル化が進む中、印刷産業は縮小傾向にありますが、独自技術を持つ同社は生き残る強さがありそうです。(公式サイト)
■まとめ
グローバルニッチとは、世界市場での「隙間産業」で、グローバルニッチトップ企業とはその市場で高いシェアを誇るトップ企業のことです。経済産業省が2020年にグローバルニッチ企業100選を選定していますので日本のグローバルニッチトップ企業を確認してみましょう。
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