QUICK企業価値研究所アナリスト 小西慶祐(2023/08/08)
・今期は強めの3割営業増益を予想。過去最高更新へ
企業価値研究所では、24/3期通期の連結営業利益予想を、3兆2000億円→3兆5500億円(前期比30%増)へ増額する。連結販売台数は従来想定を据え置いたが2Q以降の為替レートの前提を1ドル=130円→140円と円安方向に見直したことが背景。為替レートの前提を会社想定より円安水準に設定したほか、製品構成の改善効果を強めにみて、据え置かれた会社計画(3兆円)を引き続き上回る予想とした。営業利益で過去最高を更新する見通し。25/3期以降も、BEV(電気自動車)への先行投資負担の増加は見込まれるが、原価低減が進展したハイブリッド車を中心とする販売数量の拡大、原価低減活動から業績続伸を予想する。
・30年にBEV販売目標350万台の実現確度が高まる
同社は6月に、技術説明会を開催。BEVに搭載する次世代電池などのより具体的なBEV戦略を開示した。当研究所では、同社の積極的な開示姿勢を前向きに評価している。26年に、航続距離1000kmを実現し、工程数2分の1で生産する次世代BEVを投入し、30年に連結全体でBEV350万台の販売を目指す方針を会社側は示している。当研究所では、その実現確度が高まったとみている。
・リスクファクター ~為替、不正問題の拡大など
・アナリストの投資判断 ~中期的には利益拡大に沿った緩やかな持ち直しを予想
直近の株価に基づく24/3期の当研究所予想PERは11倍。セクター平均とおおむね同水準にあり、割安感はない。今後の株価は、技術説明会開催後の上昇ピッチがやや速く、一旦調整局面に転じる可能性はあるが、中期的には利益拡大と増配に沿い、緩やかに持ち直す展開を引き続き予想する。
(提供:QUICK企業価値研究所)
本サイトに掲載の記事・レポートは、QUICK企業価値研究所が提供するアナリストレポートサービスの抜粋記事です。
レポートサービスは証券会社・金融機関様に対し個人投資家向け販売資料としてご提供させて頂いております。
サービスに関するご質問、資料のご請求等はこちらよりお問い合わせください。
※ 個人投資家の方は掲載記事(レポート)の詳細を「QUICKリサーチネット」からもご覧頂けます。
サービスの詳細・ご利用方法はこちらをご覧ください。
※ なお、本サイト掲載記事の内容に関する個別のご質問にはお答えできかねます。ご了承ください。