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任天堂(7974) IPの魅力を再確認、新作ラインナップ充実や円安も反映し営業利益予想を増額

QUICK企業価値研究所アナリスト 永田和子(2023/08/25)

・「Switch」ライフサイクル終盤との見方は不変
 連結営業利益の企業価値研究所予想は業績表の通り。『ゼルダ』新作、『マリオ』映画の大ヒットで同社IPの魅力を再確認。新作ラインナップ充実や円安方向への想定変更も反映し、前回予想から増額した。「Switch」がライフサイクル終盤を迎え、ハード、ソフトともに26/3期にかけて販売数量減少が続くとの見方は不変。来期以降は販売数量減の影響をデジタル化の進捗などでカバーできず、減益が続く見込みだが、今期は単価の高い『ゼルダ』新作や『マリオ』映画の貢献、円安の恩恵もあり2桁増益へ。

・次世代機への円滑な移行に期待するが、ライト層取り込みには新しい娯楽体験提供が不可欠
 当研究所予想に次世代機は織り込んでいない。世代交代に当たり「Wii U」の二の舞が警戒されるが、「Switch」ビジネスが当研究所予想程度の緩やかな減速ならば、次世代機への移行が円滑に進むと期待される。2.9億件超のユーザー基盤構築も円滑な移行を後押しへ。ただし、『スマブラ』『ゼルダ』『ポケモン』ファンの移行が確実視される一方、『あつ森』『マリオカート』などを楽しんでいるライト層を取り込むには、新しくユニークな娯楽体験の提供が不可欠。コア層が求める高性能化とライト層への普及に不可欠な価格政策との舵取りにも注目したい。

・リスクファクター ~「Switch」急減速など

・アナリストの投資判断 ~次世代機発表までは大きな動きにはなりにくい
 PER(当研究所予想)は今期15倍、来期18倍、26/3期21倍。今期だけをみると割安感があるが、次世代機を織り込まない当研究所予想では、来期以降の営業減益が避けられないため、上値余地は小さいとみる。次世代機発表(当研究所は今期中にはないと予想)までは大きな動きにはなりにくいだろう。

 

(提供:QUICK企業価値研究所)
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著者名

永田 和子

シニアアナリスト

小売セクター、ゲーム・アミューズメントセクター担当


【プロフィール】
早稲田大学第一文学部日本史学科卒業。東京証券(現東海東京証券)入社。入社直後から調査部門でアナリスト業務(小売、繊維・紙パルプ、食品、ゲーム)に就く。03年にQBR(現QUICK企業価値研究所)へ。企業調査歴30年。


日本証券アナリスト協会 ディスクロージャー研究会 小売専門部会、広告・メディア・ゲーム部会、新興市場部会 評価実施アナリスト


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