QUICK企業価値研究所アナリスト 柊宏二(2023/08/31)
・上期は増収増益。会社は計画を上方修正
23/12期上期業績は前年同期比増収増益(営業利益は55%増の1846億円)で会社計画を超過。在庫補充が進んだ北米、インドのエスコーツ社の連結化効果があったアジア、欧州等の海外機械部門の増収を牽引役に連結で2割強の増収。円安や値上げの効果もあり、インセンティブコストや原材料費増加を吸収した。会社は23/12期計画を上方修正(営業利益2700億円→2850億円)。修正後為替想定は1ドル=132円、1ユーロ=144円。
・当研究所の業績予想を増額
企業価値研究所は23/12期予想を増額(営業利益2700億円→3000億円)。為替想定を円安に見直した効果を勘案。北米の小型トラクタやタイで販売減速を織り込むが、底堅い住宅市場を背景に北米建機の販売は想定比堅調な推移を見込む。会社修正計画は保守的とみる。
当研究所の24/12期、25/12期予想も円安効果や底堅い北米住宅市場等を踏まえ増額。ハードルが高いとみていた会社中計利益目標(25/12期営業利益3600億円)は、円安等で達成が視野に入り始めたとみる。追加自己株取得等の直近の会社の株主還元強化は評価したい。
・リスクファクター ~インフレ、気候変動、円高等
・アナリストの投資判断 ~利益上振れ期待等背景に堅調推移が続くとみる
株価は今年に入り総じて堅調で、相対的な強さはないが、緩やかに水準を切り上げている。当研究所の23/12期予想PERは12倍台。同社の過去5年平均(約15倍)および東証プライム市場の機械セクターの平均(約17倍)を下回り、割安感がある。当面は今期利益の会社計画に対する上振れへの期待や、高水準の株主還元への期待等を背景に、堅調な株価推移が続くと予想する。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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