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明治ホールディングス(2269) 価格・規格改定後の需要や新たな乳価改定を注視

QUICK企業価値研究所アナリスト 篠崎智明(2023/09/06)

・1Qの連結営業利益は8%増益
 24/3期1Qの連結業績は、売上高が前年同期比6%増の2627億円、営業利益が同8%増の195億円だった。売上高は、価格改定効果が発現した食品、抗菌薬の需要が拡大した医薬品ともに拡大し、連結全体で増収を確保。利益面では、経費抑制や海外子会社業績の伸長が寄与した医薬品が約2割の増益。食品は原材料やエネルギーなどのコスト増を受けたが、価格改定効果などで吸収。連結全体でも営業増益を確保した。

・23年12月より加工用乳価が再改定
 8月31日にバターや生クリームなどに使われる加工用乳価の改定(23年12月~)が発表された。牛乳やヨーグルトなどに使われる飲用乳価の改定と合わせると、22年11月以降4回目の乳価改定となり、生乳価格は急ピッチで上昇している。今回の加工用乳価の上昇に対しても、価格改定などで対応すると予想しているが、会社側の対応や同社製品の需要動向を注視したい。24/3期通期の連結業績予想については、従来予想を据え置き、売上高を前期比4%増の1兆1050億円、営業利益を同6%増の800億円、純利益を同24%減の530億円とした。

・リスクファクター ~プロバイオの売上回復

・アナリストの投資判断 ~当面の株価は横ばい圏の推移を予想
 24/3期1Qの連結営業利益は8%増益となり、順調な進捗と評価している。半面、同社の本格的な業績回復を占う上では、高採算なプロバイオなどの販売持ち直しが継続するかがカギであり、23年8月以降の牛乳やヨーグルトなどの価格改定・容量変更の成果を見極める必要がある。加えて、23年12月からの加工用乳価改定への対応なども注視が必要。1Q決算を好感し足元の株価は上昇したが、当面の株価は横ばい圏の推移を予想する。

 

(提供:QUICK企業価値研究所)
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著者名

篠崎 智明

シニアアナリスト

食料品担当


【プロフィール】

首都大学東京都市教養学部(現東京都立大学法学部)卒業。地方銀行に入社し、支店勤務、日本経済研究センター出向、銀行系シンクタンク出向を経て、2020年QUICK企業価値研究所に入社。

マクロ経済の分析経験を活かしつつ、取材などを通じて個社を多角的に評価できるよう努めている。


日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)


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